ASUS Zenfone 6 レビューシリーズ
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アイフォン修理のダイワンテレコム渋谷店です。
ASUS機体のニューモデル「Zenfone 6」のレビュー第2回目は「基本性能篇」です。
まずは、基本的なスペックを一覧にまとめてみました。
機種名 | Zenfone 6 | 筆者コメント |
---|---|---|
ボディサイズ | 159.1×75.4×9.1mm | 縦方向にストレッチ、若干、頭が重い感あり |
重量 | 190g | iPhone XSよりも13g重い、長時間は疲れるか? |
RAM・STR 価格 |
69,500円(6GB・128GB) | Snapdragon 855搭載機として破格の価格設定 フラッグシップ・イーターとの呼び声高い お買い得感あり |
82,500円(8GB・256GB) | ||
ディスプレイ | 6.4インチ・液晶 | LCD採用ながら明るく高精彩で見やすい画面 |
CPU/SoC | Qualcomm Snapdragon 855 | 現状、Android向けCPU最高峰 |
認証 | 指紋・顔認証 | 顔認証は自動ではない、指紋認証は背面のみ |
メインカメラ | デュアル48MP CMOS フリップカメラ |
前後のカメラを1台の回転するフリップカメラでカバー。副産物としてパノラマ撮影がモーター駆動。 |
サブカメラ | ||
SIM | nano×2 | 物理SIMが2枚入るのは日本で使いやすい |
※STR:ストレージ、SoC:チップセット
このモデルの最大の特徴というか、「売り」は、現時点でのAndroidスマホ向けCPU/SoC(チップセット)の最高峰(※)とされる「Qualcomm Snapdragon 855」を搭載モデルとしては、破格に割安な価格設定である事が挙げられます。
※「Snapdragon 855」の性能を15%高めた「Snapdragon 855 Plus」がデビュー済み
「Qualcomm Snapdragon 855」及び、フラッグシップ向け「Qualcomm Snapdragon 855 Plus」は、5Gへの対応も可能で、AI性能やゲーム、カメラなどの各処理をより高速化したスマートフォン向けCPU/SoCですが、早くも「フラッグシップ・イーター」という呼称を得ています。
例えば、「Qualcomm Snapdragon 855」搭載モデルは、Samsung Galaxy S10(9~10万円)、同 Galaxy Note10(11~12万)、SONY Xperia 1(94,500円)、SONY Xperia 5(8~9万円)、SHARP AQUOS R3(9~10万円)等がありますが、価格的にはZenfone 6よりも1~2ランク上の価格帯のモデルが多くなっています。
この「Qualcomm Snapdragon 855」を手軽な価格で購入できる点で、処理能力を重視するユーザーでコスパを求めるのであれば、Zenfone 6というチョイスは高確率で「あり」と言わるはずです。
デバイス | RAM・ストレージ | CPU | UX | 3D | 合計スコア |
---|---|---|---|---|---|
Asus ROG Phone 2 | 8GB + 128GB | 127778 | 81228 | 173832 | 396813 |
OnePlus 7 Pro | 6GB + 128GB | 115910 | 72770 | 174664 | 376671 |
OnePlus 7 Pro | 12GB + 256GB | 121955 | 77142 | 158314 | 372534 |
Xiaomi Redmi K20 Pro | 8GB + 256GB | 121072 | 78524 | 155755 | 370398 |
OnePlus 7 | 8GB + 256GB | 121705 | 77551 | 156146 | 370111 |
Samsung Note10 + | 12GB + 256GB | 116012 | 78144 | 157653 | 369362 |
iPhone XS | 4GB + 64GB | 129786 | 65707 | 146298 | 351647 |
iPhone XS Max | 4GB + 256GB | 125476 | 65556 | 146660 | 351179 |
iPhone XR | 3GB + 64GB | 121098 | 64134 | 145071 | 340119 |
Samsung S10 5G | 8GB + 256GB | 103398 | 68763 | 148673 | 334117 |
HONOR 20 Pro | 8GB + 256GB | 107488 | 64227 | 114173 | 300659 |
HUAWEI P30 Pro | 8GB + 256GB | 108638 | 63611 | 113458 | 298786 |
こちらは、スマホのベンチマーク測定アプリ「Antutu~アンチュチュ」で測定した2019年8月現在の主だったスマートフォンのベンチマーク・スコアの一覧表です。
表示は「合計スコア」順になっていますが、合計スコアのトップは、ASUSの「ROG Phone 2」で、2万点差で同「Zenfone 6」が次点に入っています。
かなり優秀です。
各社の高額端末「Samsung Note10 +」「同S10 5G」「HUAWEI P30 Pro」「Apple iPhone XS/XS MAX」「同 XR」等と比べても、処理能力の高さがよく分かります。
この処理能力が7万円前後で手に入るのは、かなり買い得感があります。
こちら、筆者のZenfone 6でAntutu計測したベンチ・スコアです。
AIブーストOFFで合計スコア330,320点、AIブーストONで合計スコア334,705でした。
AntutuのWEBで公開されているデータよりも若干スコアは低めとなっています。
また、搭載されるRAM・ストレージも「6GB・128GB」「8GB・256GB」と充分なものです。
もちろん、上を見ればキリがありませんが、12万円するiPhone XSのRAMが4GBである事を勘案すれば、この価格で「6GB・128GB」「8GB・256GB」は充分と言えます。
Zenfone 6の見た目の最大の特徴は、ノッチ(切り欠き)のない全画面ディスプレイです。
19.5:9の縦横比は、「大きい」というよりも、かなり「長い」と感じます。
ノッチのない全画面ディスプレイは、メインカメラを回転させてインカメラを兼用させる「フリップカメラ」の採用で実現できていますが、まったく欠けのない画面はかなり新鮮ですが、実用上でノッチの無さが活きる場面はそう多くありません。
メールやSNS、WEB閲覧といった通常の使用はもちろん、動画・映画の視聴や、ゲームにおいても、スマホの一部が欠けている事が重大なマイナス要素になる事はそう多くないため、「ノッチのない全画面」はニュースではあっても、実用面でのメリットはそう大きくないのかな…という印象です。
Zenfone 6のディスプレイは、コスト削減のためか、フラッグシップに搭載される「有機EL ディスプレイ」は採用されず、従来型の液晶パネルとなっていますが、高輝度・高コントラストでくっきりハッキリの印象です。
全画面である事よりも、美しい画面が最大限に拡がっている事にインパクトを覚えるといった感じです。
普段、メイン機として使用している「iPhone XS」は有機ELディスプレイを採用していますが、確かに、黒がくっきりしている事での表現の豊かさは感じますが、屋外での写真撮影では、逆に有機ELである事が「仇」となる場面が少なくありません。
有機ELディスプレイは、屋外では真っ黒になりやすく、屋外での写真撮影では被写体や構図がほとんど見えません。
もちろん液晶パネルでも屋外では暗くなりがちですが有機ELほどではないので、Zenfone 6の液晶パネル採用は、あながち、デメリットばかりとも言いきれないと感じます。
Zenfone 6の画面は「カラーモード」を設定できます。
左が標準、右が広い色域です。
あまり違いが分かりませんが、WEBやゲーム等ではかなり色調の違いがハッキリ出ます。
ひり色域の方は、鮮やかで色が豊富ですが少々誇張しすぎと感じる事もあり、長時間画面を見ていると疲れます。標準の方は、比較的抑えめの色調で、長時間利用するならこちらがお勧めです。
こちらは、iPhone XSとZenfone 6でInstagramを表示したものです。
ディスプレイの横幅(短い辺)が違う(iPhone XS:4.2mm、Zenfone 6:4.7mm)ので、必然的に表示される画像の大きさが異なります。
この事例では、Zenfone 6のカラーモードを「広い色域」にしている事もあり、人参や卵の黄身が鮮やかな色調で表示されていますし、陰影もしっかりとメリハリが効いています。
さらにZenfone 6の方が被写体の立体感も表現できているように思います。
Zenfone 6はiPhone XSの約半額である事を考えると、液晶パネルながらノッチが全くない全画面ディスプレイや、日ごろの使用の範囲では、充分にキレイに画像を表現できていると思います。
Zenfone 6は、5,000mAhという巨大なバッテリーを搭載しています。
ちなみに、「Huawei P30」は3,650mAh、「Samsung S10」は3,300mAhとなっており、約40%も容量がアップしています。
筆者の手元にZenfone 6が来た時点で、フル充電をして使っていましたが、3日後でも30%超の残量がありましたが、それ以降も、フル充電から3日間利用して充電というサイクルでの受電頻度となっています。
もちろん、テスト機であり、筆者が普段使用する機能の全てをZenfone 6で賄っている訳ではなく、音楽プレーヤー、ニュースサイト閲覧、ゲームをメインに、ベンチマークや通信速度のチェックなどで使用しているため、通常のバッテリーの減り方とは違うとは思いますが、音楽は長時間かけ放しですし、ゲームもバッテリーを食う事からみて、これだけの待受け時間なら文句はありません。
1点心配なのは、バッテリーの劣化です。
今後、使用してゆく中でバッテリーの劣化もあるはずですが、過去に利用していたASUSのスマホ(具体的にはZenfone 3 lite)のバッテリーの劣化の進行が早く、「もうこんなにヘタってるの?」と感じた事があるので、たまたま個体差であれば良いのですが、少々、心配である事も確かです。
Zenfone 6の充電コネクタは「USB-C」が採用されています。
USB-Cコネクタは、平らで楕円形の形をしており、従来のコネクタと異なり上下の区別がなく、差し込み方向を気にする必要がありません。
USB-Cの最大のメリットは、転送速度が最大10Gbpsと速く急速充電が可能な点です。
Zenfone 6で採用された「Quick Charge 4.0」と相まって、5,000mAhと大容量バッテリーながら、フル充電時間に要する時間は2.1時間と実用性をスポイルしない仕様となっています。
また、5,000mAhの大容量バッテリーにはもう1つの副産物があります。
それは、バッテリーの寿命が長い事です。
iPhoneのバッテリーの寿命について、Appleはサポート内で「フル充電サイクル500回で初期容量の80%」という目安を述べていますが、これに従えば、5,000mAhの大容量バッテリーの充放電回数は、同期間の容量の小さなバッテリーよりも回数が少なくなる事になります。
それ故、Zenfone6のバッテリーを充電する回数が減り、その結果としてバッテリー寿命が延びる事に繋がっています。
Zenfone 6は、nano SIM×2、Micro SD×1を装着できます。
iPhoneも、 XS/XS MAXからデュアルSIM仕様になりましたが、片方は「eSIM」仕様となっているため、物理SIMは1枚しか利用する事ができません。
現時点で、「eSIM」を発行・契約可能なのは、MVNOのIIJmio1社のみで現在はベータ版での提供ですが、データ通信専用で、通話機能やSMS機能は利用する事ができないため、事実上、通話機能付きのSIMは物理SIMでしか利用できません。
Zenfone 6は、nano SIMを2枚装着できるので、大手キャリアと格安SIMの全ての通信事業者のSIMを自由に組み合わせて利用する事が可能です。
こちらは実際のZenfone 6のモバイル通信の設定画面です。
SIM 1・SIM 2、各々に「音声通話」「SMSメッセージ」「データ通信」を割り振る事ができます(ただし、音声通話機能・SMS機能のないSIMでは「音声通話」「SMSメッセージ」は割り振る事はできません)。
自宅ではNTTドコモ回線、職場ではau回線といった通信会社や回線の使い分けや、仕事用とプライベート用など用途による使い分け、通話専用SIMとデータ通信SIMの2枚遣いなど、様々なパターンで2枚のSIMヲ使い分ける事が可能です。
ちなみに、日本の通信契約では、通話機能付きの契約を他社へ移動しようとする場合、MNP(番号持運び制度)を利用して使用中の電話番号を移動する事ができますが、大手キャリアでは2年縛り、格安SIMでも最低利用期間1年などの解約に対する拘束があり、この期間内でのMNP転出には、「解約金」「解除手数料」等の名目で9,000~10,000円もの早期解約違約金が課せられます。
デュアルSIMを活用し通話契約を1社に固定し、データ通信をサブSIMで自由に乗換える事で、早期解約違約金を気にする事無く、通信会社を移動する事ができます。
■物理デュアルSIM活用事例
例えば、Sony系のMVNO「NUROモバイル」には、月間499MBまでデータ通信が無料の「0SIM」というサービスがあり、音声通話機能を付加した際の月額利用料は700円+税となります。
音声通話契約は、「0SIM」に固定してしまう事で、MNPを繰りかえす必要がありません。
サブSIMに、データ通信が高速のUQmobileのデータ通信SIM(月額980円/3GB)を契約すれば、MNP不要の通話契約と、大手キャリアなみの高速データ通信サービスが合計1680円で手に入ります。
今回は、Zenfone 6の基本的な性能についてレビューしてみました。
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