ASUS Zenfone 6 レビューシリーズ
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アイフォン修理のダイワンテレコム渋谷店です。
ASUS Zenfone 6の実機レビュー第3回目は、Zenfone 6を利用する上で感じたメリットとデメリットについて書いてみようと思います。
Zenfone 6はこれまでのASUSのスマートフォンとは一線を画す存在である一方、ASUSの良さをきちんと受け継いだ正常進化版である面も感じます。
そんなZenfone 6を実際に利用する際に感じたアレコレをご紹介します。
まずは、Zenfone 6のメリットからです。
等々、数え上げたらキリがない程の特徴満載ですが、その本体価格は69,500円と驚くほど割安です。
筆者は、愛用のiPhone XSと比較しながらの使用でしたが、6割にも満たない価格のZenfone 6が、iPhone XSと比べて決定的なマイナス面やデメリットを感じずに使用できる事が驚きでした。
筆者はiPhone 4sからずっとiPhoneユーザーで、その間、購入したAndroidスマホは「Zenfone 3 lite」のみでしたが、正直、iPhoneとの使い勝手の違いや、機能・性能の差は決定的なものを感じていたため、今回のZenfone 6テストでも、正直、あまり期待をしていませんでした。
しかし、約1か月間に渡ってごく普通に使ってみた結果、この価格でこの使い勝手や機能・性能であれば、充分に満足がゆく…、そう思うようになりました。
もちろん、絶対的な性能差は存在しますし、世の中にはもっと機能・性能でZenfone 6を上回るモデルは多数ありますが、それらの差は、価格の差で充分に埋められる差と感じましたし、その機能差・性能差を埋めて価格が上がるよりは、現状がベターと感じました。
比較したiPhone XSも全画面スマホではありますが、顔認証やセルフィー用のカメラ等を納めるスペースが必要で、画面上部にノッチ(いわゆる切り欠き)がありますが、Zenfone 6は世界初のフリップカメラを搭載する事で、ノッチレスを実現しています。
ノッチレスとなった6.4インチディスプレイは、本体価格を抑えるためか、フラッグシップ機が採用する「有機EL」ではなく、旧来の液晶ディスプレイですが、輝度が高く、ハイコントラストで液晶としてはキレイな部類と感じます。
メールやSNS、WEB閲覧といった日常の利用では、ノッチレスである事や、大画面である事が活きて、非常に使いやすく、見やすいのが特徴的です。
Zenfone 6には、背面上部に設けられたアウトカメラのみで、セルフィー用のインカメラは装備されていません。
このアウトカメラをモーター駆動で180度回転させる事で、アウトカメラの画質そのままにインカメラとして使用できる「フリップカメラ」方式を採用しています。
このフリップカメラを採用した事により、インカメラを置くためのノッチが不要となった事から、ディスプレイはノッチレスの完全な全画面(画面占有率92%)を実現しています。
アウトカメラでインカメラを代用させる事が先か、ノッチレスの全画面が先か、どちらから生まれた発想かは分かりませんが、いずれにしてもフリップカメラの誕生が全てのスタートであり、まさに発想の転換、新発想と言えます。
さらに、カメラをモーター駆動で動かす事で、滑らかな動きのパノラマ写真が撮影できたり、カメラを途中で止めて撮影する事により、スマホ撮影が苦手とするローアングルからの撮影を含め、今までにないアングルの写真撮影が容易になる等、フリップカメラならではの写真を撮る事ができる事も見逃せない特徴となっています。
フル充電から普通に使い始めると、動画視聴などのバッテリーを食う使い方をしなければ、2日間は確実に充分なバッテリー残量を残していますし、使い方によっては3日目の使用も充分に可能です。
ASUSが公表している数値では、連続待ち受けは最大35日間、連続通話40時間、WEBブラウジング23時間と、カタログデータ的にもインパクトがありますが、実際の利用ではそこまでではないにせよ、要充電タイミングは、比較したiPhone XSよりも遥かに遅くやってくる事は確かです。
これだけバッテリー容量が多いと、当然、フル充電に要する時間も長くなるのは当然ですが、Zenfone 6は「Quick Charge 4.0」(※)に対応しており、通常のUSB充電よりも早素早い充電を可能にしています。
※Quick Chargeとは
Quick Chargeは、米クアルコムが策定した高速充電の規格で、通常のUSB充電に比べて高速な充電が可能となっています。1016年11月には、僅か5分の充電でスマートフォンを5時間駆動できると言う、最新規格Quick Charge4が発表されています。
長時間に渡って充電が不要になる大容量バッテリーは、充電によりバッテリーの劣化頻度もより少ない事を意味しており、Zenfone 6の5000mAhバッテリーは、バッテリー劣化による修理交換のタイミングをも遠くに退ける効果を得ている事になります。
続いて、Zenfone 6のデメリットについてですが、1点を除いて、実はあまり大きなデメリットではありません。
世界初のフリップカメラや大画面・大容量バッテリーを搭載している事から生じる、副次的・弊害的なデメリットと言えます。
Zenfone 6の本体重量は190gで、iPhone XSよりも13g重いだけなのですが、大画面のため縦方向に長いために「頭が重い」と感じ、長時間使用では徐々に腕が疲れる感覚があります。
また、WEB閲覧時等では、画面を左端から右へスワイプする事で前ページに戻るというiPhoneにある機能が備わっていないため、戻るボタンがあるナビゲーションバーの近く=すなわち本体の下方を持っている事が多いため、重心が持ち手よりも上になり、余計に重さを感じることがあります。
Zenfone 6は、指紋と顔両方で認証できるダブル認証です。
Zenfone 6の指紋センサーは背面にあり、本体を自然に持った際に人差し指が触れる辺りのちょうど良い場所に設置されており、認証スピードも非常に優秀で、間発入れずにサクッと認証してくれるのは気持ちがよいです。
一方、顔認証の方法は、フリップカメラを利用しているため、背面に設置されたアウトカメラが180度回転してイン側を向いて認証する事から、何点かの制約やデメリットが生じています。
つまり、Zenfone 6を手で持ちあげている時だけ「顔認証」が可能で、その場合には、ロック画面に表示される「顔」マークをタップして、ユーザーの意思で顔認証を実行させなければなりません。
インカメラがあるiPhoneのように画面ONで自動的に認証が実行されないのは多少の違和感があります。
また、それ故に、机上に置いた状態ではカメラが回転できないため「顔認証」そのものが実行不可であり、さらに付け加えれば、指紋認証センサーも背面にあるため、机上に置いた状態では、指紋も顔もいずれの認証をすることができないと言う事になります。
この辺りは、デメリット冒頭に書いたように、フリップカメラを搭載したが故のデメリットであり、「弊害」と呼べるデメリットですが、置いたままで認証できないのは使い勝手が良いとは言えません。
画面内での指紋認証が可能であれば、置いたままでも認証できるのでしょうが、端末価格を勘案すると、そこまでの機能は搭載できなかったのかもしれません。
先ほど、メリットの項でディスプレイの大きさや普段使いの使い勝手の良さを挙げましたが、動画再生に土俵を移すと、iPhone XSとの違いは想像以上である事に驚かされます。
iPhone XSは、有機ELパネルならではのハッキリクッキリですが、それと比べるとZenfone 6は輪郭がボケていますし、明るい部分と暗い部分のメリハリが効いておらず、そのくせ画面全体は暗い印象です。
iPhone XSの有機ELに比べると、画面全体がボケた感じで、誰が見ても一目瞭然の違いがある事は確かです。
Zenfone 6は、他の多くの海外メーカーのAndroidスマホと同様に、Felica非対応のため、日本国内での電子決済ができません。
今夏には、Samsungや、Google製の一部のスマホがようやくFelica対応を果たしていますが、いわゆる「おサイフケイタイ」を使えるのは、国内メーカーのスマホが主流で、HuaweiやASUSなどのスマホは日本国内での電子マネー利用ができません。
デメリット冒頭で書いた「1点を除いて」の1点は、まさにこの点です。
高性能CPU/SoC、フリップカメラ、ノッチレス大画面、大容量バッテリー等、ユーザーの「欲しい」を満たす様々な機能や仕様はかなりレベルが高いので、Felica未対応が残念でなりません。
日ごろ、iPhoneを使い慣れている筆者にとっては、電車やバスに乗る、タクシーに乗る、コンビニやスーパーで買い物をする、飲食店で食事をする等々、iPhoneがあれば事足りてしまう生活に慣れているせいか、Zenfone 6で電子決済が使えないため、いちいち使えるカードを探すなど、面倒でなりません。
この点だけが、返す返すも惜しいと言わざるを得ません。
ましてや、10月からの消費増税に合わせてポイント還元が開始になり、来年のオリンピックに合わせてキャッシュレスが推進されている現状を鑑みれば、ここは、ASUSは多少価格がアップしてでもFelicaに対応すべきだったのではないでしょうか。
レジでQRコードを表示する、あるいは、QRコードを読み込んで支払額を入力する「バーコード決済」「スマホ決済」はであれば利用できますが、これまでの20%還元等の「お得感」があれば別ですが、キャンペーン外であれば、iPhoneをかざすだけで決済が完了する「Apple Pay」「Google Pay」の方が圧倒的に便利なのは言うまでもありません。
この事は、Zenfone 6の最大のデメリットと言えると思います(もちろん、他の海外製スマホも同様)。
今回は、筆者がZenfone 6を実際に利用する中で感じた、メリット・デメリットについてまとめてみました。
メリットで挙げた点は、Zenfone 6の価格を考えると、非常にコスパが良い事を表しています。
そもそも、この価格で「Qualcomm Snapdragon 855」の搭載は異例ですし、それだけでもこの価格の価値があると言えますが、さらに、ノッチレス全画面や大容量バッテリー、指紋&顔のダブル認証など、本機がフラッグシップ・イーターと呼ばれるのがよく分かる特徴です。
一方、デメリットとして挙げた点は、確かに、デメリットではありますし、この点が改善すればZenfone 6はもっと「凄い」と称賛をえるでしょうし、人気も販売台数もグッと増すに違いありませんが、69,500円というミドルクラスの価格からすれば、「無いものねだり」「贅沢な望み」と言えます。
Zenfone 6は液晶パネルを採用した事で、有機ELパネルを採用しているiPhone XSに動画再生時の画質で敵いませんが、もし仮に、あと1~2万円価格アップで有機ELパネルが搭載されるとして、果たしてこうにゅするきになるのか…というと、その辺は少々微妙です。
それは、机上に置いたままで認証できない事も同じです。
画面内に指紋認証機能を付加する事で、机上に置いたままでも認証できるとして価格が1~2万円アップするとしたら、現状の機能・性能で69,500円と、機能アップで79,800円~89,800円と、どちらを購入したいと思うでしょうか。
そういう意味では、ASUSは搭載する機能・性能についてかなり詳細に吟味した上で、価格とのバランスの観点から切り捨てたものがかなりあったのではないかと推察できます。
そして、筆者はその取捨選択は間違っていなかったと感じます。
確かに、もっと高機能・高性能なスマホは作る事は容易かもしれませんが、逆に、価格を抑えた中で搭載した機能・性能、切り捨てた機能・性能の取捨選択の方が難しかったのではないかなと思います。
デメリットの中でただ1点、Felica非対応で電子マネー決済ができない、電車バスに乗れない事は残念でなりません。
先に述べたように、ASUSは搭載する、あるいは切り捨てる機能・性能をトコトン吟味した事は充分に伝わってきますが、Felica非対応とした事は「痛恨」と感じる日本のユーザーは少なくないはずです。
Zenfone 6は今でも充分に話題ですし、人気を博していると思いますが、もしFelica対応だったとしたらベストセラーになり得ていたのではないかと残念でなりません。
今回は、Zenfone 6のメリット・デメリットについてレポートしました。
メリットはメリットとして理解して頂いて良いと思いますが、デメリットは、価格を考えれば妥当な選択と言え、それらのデメリットを埋める、解消するためには当然ながら価格のアップに繋がります。
実機を使ってみた結果、Zenfone 6というスマホに求められるのは、必ずしもフラッグシップの機能や性能ではなく、リーズナブルなミドルクラスの価格で、「これだけの機能と性能をてんこ盛りにしました」という「コスパの高さ」にあると思いました。
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