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夏の暑さはiPhoneにとっても過酷な環境で、iPhoneが高温に晒される事は大きなダメージになります。
iPhoneを「暑さ」と「熱さ」の高温から守りつつ、今年の夏を快適に乗り切るための対処法や、最適な冷却方法をご紹介します。
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皆さんは、日ごろ使用しているiPhoneにとっての「適温」をご存知でしょうか。
▶iPhone、iPad、iPod touch を許容可能な動作温度に保つ - Apple サポート
こちらは、Appleが公式WEBに記載しているiPhoneをはじめとするiOS機器にとっての「適温」です。
0度~35℃の間で使用してくださいとあります。
意外に幅広いように思いますが、実は、現実にはスグにこの適温範囲を超えてしまう事がよくあります。
冬場は、例えばスキー場を考えてみてください。0度を下回ることなどよくある事です。
ポケットの中に入って言えば体温で0度以下にはなりにくいですが、屋外に放置するような事があると、iPhoneは「苦手な」0度以下の状況に長時間晒されることとなります。
適温を下回る低温での使用が続くと、バッテリーが一気になくなってしまう等の不具合が発生する事がありますが、適温化に戻れば症状も収まるので、「低温」は、あまり大きな問題にはなりにくいと言えます。
「低温」は、苦手ではあっても、あまり大ごとにはならずに済む場合が多いですが、逆に「高温」には厳重な注意が必要です。
iPhoneだけでなく、適温からかけ離れた温度が「得意」という精密機器はあまりありません。
iPhoneも35度よりも高温化での利用は避けた方が無難ですが、それでは34.9度までは問題ないのかと言えば、温度が上がるにつれ、徐々に不具合が発生しやすくなりますし、故障の原因も「徐々に」増加してゆきますので、人間が「暑いな」と感じる場所では、すでにiPhoneには微小なダメージがあると考えても良さそうです。
最も一般的なiPhoneが「暑さ」に晒される場所としては、駐車中のクルマの車内が挙げられます。
こちらは、JAF(一般社団法人日本自動車連盟)が実施した車内の温度の計測データです。
実施は、2007年4月26日で、最高気温23度と過ごしやすい春の日でしたが、車内の温度は非常に高温となっています。ピーク時の温度は以下の通りです。
・ ダッシュボード付近 …70.8 ℃(時間:11時50分頃)
・ 車内温度(運転席の顔付近)…48.7℃(時間:14時10分頃)
・ フロントガラス付近 … 57.7℃(時間:11時50分頃)
ダッシュボードの温度が非常に高温になる事は良く知られていますが、穏やかな春の日でも、車内温度でさえ48.7度と、iPhoneの適温の上限を超えてしまっています。
鞄に入れてシートに置いてゆく…といったシチュエーションでも、iPhoneはダメージを負うと言う事です。
▶JAF|エコ&セーフティ|JAFユーザーテスト|車内温度|車内温度/夏
こちらは、同じくJAFが真夏の8月に実施した車内温度の計測です。
炎天下に駐車しているクルマの車内は、エアコン作動時以外は、全ての場所でiPhoneの適温上限を遥かに超えており、ダッシュボード上に至っては、80度近い温度になっています。
白と黒の車体色で若干の温度がありますし、サンシェード装着、窓開けなどの対策も何もしないよりは「マシ」ですが、iPhoneにとっては、過酷である事には変わりません。
▶JAF|エコ&セーフティ|JAFユーザーテスト|車内温度|車内温度/夏
こちらは、車内に置いた物がどうなったか画像ですが、スマートフォンは、警告画面が出て一部機能(おそらく緊急通報でしょう)を除いて使用不能になったとあります。
車内の画像を見ると、テスト機はまさにiPhoneで、ダッシュボードの上に直接が置かれずに、ホルダーに設置されていますが、そんな事はあまり影響ないようです。
ここまで見てきたように、私たちが日々利用する環境の中にも、低温・高温のシチュエーションは特にめずらしくありませんので、注意していないと思わずiPhoneにダメージを与えてしまう可能性があります。
iPhoneを熱から守るために注意すべきは、外気温だけではありません。
iPhoneは自分で発熱して熱くなる場合があるので、充分な注意が必要です。
iPhoneは電子機器ですので、普通に通話や通信、あるいはゲーム等で使用するだけでも多少の熱を発しますが、通常は人の手で「熱くて驚く」ような温度にはなりませんが、使い方によっては非常な高温になる場合があります。
CPUは人間の頭脳に当たるようなスマートフォンの核とも言うべきもので、通常の動作であれば、問題なく作業をこなせるだけの能力を持っていますが、それでも限界はあります。
また、充電しながらの動作は非常に高温となり、iPhoneにもバッテリーにもダメージとなります。
【対処法】
使い終えたアプリはマメに終了させ、幾つものアプリが同時に動作しないように心がけましょう。
身近な使い方で意外に熱を発生しやすいのが、充電しながらのiPhone利用です。
充電しながらの電話程度でも本体は熱を帯びてきますが、高負荷のゲーム等ではかなりの熱を発生する場合があります。充電中のゲームや動画再生などの高負荷動作はできるだけ避けるようにしましょう。
【対処法】
充電しながらのiPhone利用はできるだけ避け、もし使用する場合でも、ゲーム等の高負荷アプリは使用しないようにします。
写真や動画、音楽、メールなどをたくさん記憶させ、ストレージに余裕がない状態で無理に作業をさせると、CPUに高負荷となり発熱の原因になります。
【対処法】
写真や動画はクラウドや外部メモリー等に保存し、できるだけストレージの空き領域を増やしましょう。
ストレージの容量の観点で言えば、音楽を聴く場合には、端末に保存せずストリーミング再生で聴くようにするとストレージの容量を減らさずに済みます。
長年、iPhoneを使っていると、バッテリーが経年劣化を起こし発熱しやすくなる場合があります。充電してもすぐにバッテリー切れとなってしまうようなら、バッテリーの劣化を疑った方がよいかもしれません。
【対処法】
バッテリーを長持ちさせる充電方法を実践しつつ、それでもバッテリーが弱ってきたら交換するようにしましょう。弱ったバッテリーをそのまま使用していると、予期せぬシャットダウンをはじめとする不具合が発生し、実用性が低下します。
薄型のiPhone 6が発売された当時によく起きた事故に、iPhoneをお尻のポケットに入れたまま腰をかがめる事で、iPhoneが変形し、バッテリーに無理な力がかかり発熱、場合によっては発火するケースもあり、注意が呼びかけられました。
iPhoneに限らず最近のスマートフォンは、大画面でスリムな分だけ「曲げ」にはあまり強くなく、筐体が変形する事でバッテリーも変形し、発熱・発火が起こる場合があります。
【対処法】
お尻のポケットなど、曲げ荷重がかかるような持ち歩き方をしないように心がけます。
また、高い場所からの落下にも充分気を付ける必要があります。
ケースやバンパーなどで落下などの衝撃からiPhoneを守り、画面フィルムやゴリラガラスなのでディスプレイの破損を防止する事も引いては発熱の予防となります。
デバイス内の温度が正常な動作温度の範囲を超えると、iPhoneは、自分自身を守るために自動的に温度を構成しようとするように設計されており、以下のような動作を起こす場合があります。
▶iPhone、iPad、iPod touch を許容可能な動作温度に保つ - Apple サポート
充電の停止は経験がある方も少なくないかもしれませんが、本体が非常に熱くなり、充電コードを接続しても充電を停止したままになる場合があります。
さらに症状が進むと、ディスプレイがブラックアウトして何も表示しなくなる場合があります。このような症状の間は、iPhoneは電波状態も含め、イレギュラーな動作となる機能があります。
なお、ナビゲーション中の発熱の場合には、iPhoneを冷やす必要がある旨の警告が表示され、ディスプレイがOFFになる場合がありますが、ナビゲーションは音声のみで継続されます。
デバイスの温度が上限を超えると、このような温度警告メッセージが表示されます。
本来は、こうした状態になる前に、iPhoneの温度を下げるための対応を行うべきですが、それでもこの表示が現れてしまった場合には、全ての動作を中止し、iPhone本体の温度をできるだけ早く下げるようにする必要があります。
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熱くなってしまったiPhoneを冷却する方法について解説致します。
ここで注意したいのが、分かりやすく「冷却」と言っていますが、実際には常温以下に冷やす必要はありません。
帯びている熱を取り、常温に戻すようにしてください。
日ごろはiPhoneを守るために装着しているケースも、熱を下げる場合には外してください。
シリコンケースでも、手帳型でも、どんなものでもiPhoneの外装に取り付けているものは全て外し、使用していたアプリやマルチタスク等は全て終了させ、ブラウザも全て閉じ、冷暗所で使用せずに常温に戻るまで待つ…というのが王道です。
その際に、充電も一時中止してください。
充電によって発熱する場合が多いので、iPhoneが常温に戻るまで充電は中断しておきます。
基本は、「裸にする(付属品を外す)」「落ち着かせる(全てのアプリを終了)」「放置する(使わない)」です。
放置するだけでは間に合わない(温度が下がって来ない)、あるいは、自然に常温に戻るまで待てないと言う場合に、強制的にiPhoneの温度を下げるには「風」を利用します。
Amazon等で「スマホ 冷却」で検索すると、電動ファンをはじめ、様々な冷却グッズを見つける事ができます。
いずれの商品でもある程度の効果はあると思いますが、本体にフィットして送風できる電動ファンが最もベーシックな冷却グッズではないかと思います。
お洒落なグッズは2000円前後の製品も多いですが、「USB ファン」で検索すると、サイズにもよりますが、数百円で購入できるものもあります。
15~20分もファンに乗せておけば、充分、常温に戻すことが可能です。
こうした製品は「脚」がなくそのまま使うと風量が落ちますので、ネジ等で脚を付けるか、写真のようにボールペンで浮かせて風の通り道を確保してやると、効率よくiPhoneを冷却する事ができます。
特別お金を払って専用品を購入せずとも、普段使っている扇風機の風を当てるだけでも、高い冷却効果が望めます。
デスクなどに置き、ボールペンなどを挟んで、iPhoneの下にも隙間を作り風を通してやることが冷却効果を高めるコツです。
文字通りの「冷却」は行ってはいけません。
熱くなったiPhoneは常温に戻せばいいのであって、強制的に常温以下に「冷やす」必要はありませんし、良かれと思ってした事が大惨事を招いてしまう事もあるので、要注意です。
熱くなったiPhoneを手早く冷やしてスグに使いたい…、それなら、冷蔵庫が一番手っ取り早い…、いや、冷凍庫の方がもっと早いかも…なんて、冷やし忘れた缶ビールじゃあるまいし、絶対に冷蔵庫・冷凍庫、さらに、氷も保冷材も一切NGです。
NGな理由は「結露」です。
高温になったiPhoneを強制的に急激に冷やすと、本体内部で結露を起こす可能性があります。
「結露」とは、冷たい飲み物が入ったグラスの表面に付く水滴、あれです。
iPhoneの内部で、あんな事が起こったら…と考えると恐ろしくありませんか?
水没どころじゃありません。下手したらバッテリーがショートしてiPhoneが「オシャカ」になる可能性もある危険行為ですので、絶対にやめてください。
ツワモノはポリ袋に入れたり、猛者中の猛者になると、防水だからとiPhone 7以降の端末を直接、氷水に沈めて冷やすなんて話しも聞いたことがありますが、何度も言いますが、冷やす必要はないのです。
基本は、「風を当てて、常温に戻す」です。
ここまでは、上がってしまった温度を下げる方法をご紹介しましたが、日ごろからiPhoneの温度を上げにくくする事も可能なので、できれば実践してみてください。
写真や動画、音楽といったコンテンツをiPhone本体にあまり保存しすぎないよう、日頃から心がけておきます。
クラウドや外部メモリーに移すのも有効な手段です。
意外にストレージを食うのがメールです。
時々見かけますが、メール削除せずに数百通も溜めてしまいストレージを無駄に減らしているケースです。
メールの削除は案外面倒で、数件ずつなら削除できますが、何十通も溜まると削除作業が面倒になり、そのまま増え続けてしまう…というケースも実際にあります。
不要なメールはマメに削除するようにしましょう。
また、アプリの数も無関係ではありません。
要らないアプリを何でもかんでもインストールしたままにせず、不要なアプリ、使用頻度が低いアプリは削除するようにしましょう。
「iOS11」以降では、不要なアプリを削除する際に、データだけは残す機能が追加されていますので、使用頻度の低いアプリは、データだけ残しておいて、使用する時だけ再インストールするという手もあります。
アプリを開いたら開きっぱなしなんて方も、意外に少なくありません。
アプリを開けば開くほど、iPhoneの負担は増えますので、定期的にアプリを閉じる習慣を身に着けましょう。
iPhone 8までのホームボタンのあるiPhoneは、ホームボタンのダブルクリック、iPhoneX以降の全画面モデルは、画面下からのスワイプで、マルチタスクを呼び出す事ができますので、表示された開いたままのアプリを上にスワイプする事で削除する事ができます。
充電しながらの高負荷アプリの利用はiPhoneを非常に高温にします。
短時間の電話やメールチェック等なら問題ないですが、連続して長時間ゲームや動画・音楽等の再生はお勧めできません。
充電が完了してから充電コード・ワイヤレス充電機を外してから使用するようにしましょう。
充電自体、熱を発生させますが、バッテリーが満充電に近づくにつれ高温となる場合があります。
▶「バッテリーを長持ちさせる正しい充電方法」でもご紹介していますが、現在のリチウムイオンバッテリーは「フル」の状態にしない事が重要です=「フル充電・フル放電」。
本当ならバッテリーは、30%~80%程度の中で使用する事が「優しい充電」ですが、それでは実用性に欠けるため、もし充電量を確認した際に90%~99%の間であれば、そこで充電を終了させるのがお勧めです。
iPhoneは手に持っている時以外でも仕事をし続けている場合があり、置いてあるから発熱はしないとも限りません。
動画をTVに映している場合や、BGMに音楽を再生し続けることもそうですし、「(アプリの)バックグランド更新」をONにしている場合には、気づかないうちに、大ファイルをDL~更新しているかもしれません。
そんな「もしも」を考えて、iPhoneは風通しの良い場所に置いてあげるのがベターです。
Amazonで購入できるシリコン製、TPU製のケースは、カラフルで対衝撃性能もまずまずで、価格も1,000円前後とリーズナブルなので、多くのユーザーが利用していますが、iPhoneの温度という視点でみれば、あまり良いとは言えません。
スッポリとiPhoneの側面から背面までを覆うスタイルですので、放熱効果は芳しくありませんので、前述の通り、クールダウンの際には外した方がよいでしょう。
あまりにもiPhoneが熱を帯びる機会が多ければ、少し割高になりますが、メッシュ構造など「放熱」に配慮したケースも購入する事ができますので、検討してみても良いかもしれません。
如何だったでしょうか。
iPhoneに限らず精密機器はいずれも熱を発しやすく、熱に弱い特性を持っています。
常日ごろ持ち歩くiPhoneだからこそ、可能な暑さ対策・発熱対策は心がけたいものです。
ただし、iPhoneが熱くなったからといって、冷蔵庫・冷凍庫・氷水などで急激に冷やし、常温以下にするのはiPhoneにとっては非常に過酷です。
「裸にして」「落ち着かせて」「放置する」が基本で、もし、強制的に温度を下げたい場合には「風」を利用するようにしてください。
そうしてやることで、暑さや熱への対策になるばかりでなく、iPhone本体やバッテリーの寿命を延ばす事にも繋がりますので、ぜひ、覚えておいていただければと思います。
source:support.apple.com
source:jaf.or.jp
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