iPhone、冬でも水没にご用心!液体侵入時のチェックと対処法
水没なんて夏の話しでしょ?
なんて油断していませんか?
実は冬でもiPhoneには水没の危険があるんです。
今回は、冬に気を付けるべきiPhoneの水没=液体侵入と、iPhone内部に液体が侵入してしまった際のチェック方法と応急処置などの対応法などについて解説いたします。
夏は、海・川・プールと水辺に行くレジャーも多くなりますし、暑いので水に触れる機会が多いので、iPhoneが水没してしまう危険性が高い認識は、多くのユーザーがお持ちですし、当然、水没に対する警戒も強くなる季節です。
しかし、逆に寒くなると水に触れる機会が減るので、水没の心配はないのか…と言えば、決してそんな事はありません。
統計を取った人はいないかもしれませんが、iPhone修理店等に聞くと、冬は冬特有の理由で水没してしまうケースは決して少なくないそうです。
一般的な表現として、ガラケーの時代から「水没」という言葉が使われてきました。
ガラケー時代の、本体からバッテリーを外した下にある「水没インジケーター」が赤くなっていてショックを受けた事を思い出します。
現在でも、水没の概念は同じで、スマートフォン本体内部に水分が浸入した状態を指します。
スマホ本体内に水分が入り込んでいれば、正常に動作していようと、故障していようとそれは関係なく、水分が浸入した事を「水没」と言います。
iPhoneの場合は、Appleは「液体侵入」という言葉で表しています。
最近は、防水防塵機能を備えたスマホが増えています。
iPhoneも、iPhone 7からAppleは防水防塵機能を搭載するようになりました。
iPhone 7 | IP67 | iPhone 8 | IP67 | |
iPhone XS | IP68 | iPhone XR | IP67 | |
iPhone 11 Pro | IP68 | iPhone 11 | IP68 |
ちなみに、IP67・IP68の「IP6x」は防塵機能を表し、「IPx7」「IPx8」は水の侵入に対する性能を表します。
防水について言えば、IP67は最大水深1メートルで最大30分間、液体の侵入を防ぐ機能、IP68は、最大水深2メートルで最大30分間、液体の侵入を防ぐ機能で、違いは水深=水圧の問題です。
当然、水深が深くなれば水圧は大きくなり、液体がiPhoneに侵入しやすくなるため、IP67よりIP68の方が防水機能がヨロ協力だと言う事になります。
ただし、完全防水という認識は持たない方が良いでしょう。
「IPx8」は、規定上では、連続的に水面下での使用でも水の侵入がない性能を指し、Appleは水深2mで30分間と自主的な防水の上限を設けています。
しかし、「IPx8」という性能表示は、常温の真水での耐水性能を表すもので、海や川、雨水や洗濯水など、真水ではない不純物が含まれている場合や、コーヒーやジュースなど、常温でない液体の場合には必ずしも所定の防水性能を発揮できるかどうかは分かりません。
さらに、SIM交換等の際にSIMトレーが完全に閉じられていないケースや、充電ケーブルの抜き差しを乱暴にしてコネクタ部分を破損している場合などは、防水性能の守備範囲外となります。
iPhoneは精密機器ですので、例え防水機能を持った機種であっても好んで液体侵入の可能性を高める事は避けた方が良いと言えます。
歴代iPhoneの液体侵入の確認方法は、機種によって若干異なりますが、iPhone 5以降の各モデルでは、SIMトレースロット内にインジケーターが配置されており、もし液体が浸入するとインジケーターが赤色化します(通常は白かシルバー)。
iPhone 4、3の各シリーズと、初代iPhoneは、外部からインジケーターが見える構造になっています。
機種ごとの液体侵入インジケーターの位置は以下の通りです。
iPhone 11 Pro・11 Pro MAX | iPhone 11 |
iPhone XS・XS MAX | iPhone XR |
iPhone X | iPhone 8・8 Plus |
iPhone 7・7 Plus | iPhone 6・6 Plus・6s・6s Plus |
iPhone 5・5s・5c・SE | iPhone 4・4s |
iPhone 3G・3GS | iPhone |
これらのインジケーターを時々チェックしてみる事をお勧めします。
もし、インジケーターが赤色化していたら、その自覚がなくても何らかの理由で液体がiPhone内に侵入したのは確かです。
その時点で何の不具合も故障も生じていなくても、iPhone修理店などで内部のチェックをして貰い、必要であればクリーニングや部品交換などを行っておけば、招待的に取り返しのつかない重大な故障に繋がる事を回避できます。
液体が内部に侵入していると言う事は、今その時に何も起きていなくても、必ずしも将来にも何も起きない保証はありません。
もちろん、冬であっても、夏同様の海や湖、河川、トイレや洗面所、洗濯等による水没がない訳ではありません。
それらの通常の水没原因に加えて、寒い冬ならではの水没が発生する場合があります。
それが「結露」です。
夏場でも冷たい飲み物のグラスやボトルに結露によって付着した水滴がテーブルに流れ溜まり、テーブル上のiPhoneを浸してしまうといった「結露」による水没が起こりますが、寒い冬の結露は冷たいドリンクとは無縁です。
外出から戻ると、メガネやサングラスが曇ってしまって前が見えないという事があります。
それと同じ事がiPhoneの内部で発生する場合があり、その症状はやはり「結露」水没と言う事になります。
多くの場合、外出時でもコートなどのポケットに入れている場合には、iPhoneがキンキンに冷えてしまう事はないので、結露水没にはなりにくいですが、体温の届かない鞄の中などに入れていて、急に暖房の効いた屋内に入ると、どうしても内部に結露が発生しやすくなります。
スキー場などでもよくある事で、氷点下からいきなり暖かいホテルのロビーに入った際などに内部で結露が起こっている可能性があります。
とは言え、内部結露が全て不具合や故障に直結する訳ではなく、不具合も故障も起こさないまま、何事もなかったかのようにそのまま使い続けられるケースも珍しくないため、ユーザー自身は「水没」の認識のない、いわゆる「いつの間にか水没」の状態になる場合があります。
そのまま何も起こらないまま使い続け、iPhoneを買い換える際に、「水没」を指摘され、買取り・下取り価格が安くなる場合や、買い取れないと言われる場合もあるようです。
また、不具合や故障が発生するにしても、結露直後という事は滅多になく、数か月、あるいは半年以上経過してから不具合が発生して、修理店に持込むと「水没していますね」と言われて驚く…といったパターンが多いようです。
洗面所や水溜りに落としたけど何も起こらず使えた…という話しも珍しくないので、結露ぐらいでは何も起こらなくても不思議はありませんが、インジケーターが反応して赤色化してしまえば、症状が出ていなくても、使用に何ら問題なくても、「水没」「液体侵入」とカテゴライズされてしまいます。
Appleでは、iPhoneを利用する温度として0℃~35℃を推奨しており、その上で、iPhoneに最も適した温度を16℃~22℃としています。
また、iPhone、特にバッテリーは寒さに弱いとし、「動作温度を下回る極端な低温下で iOS デバイスを使うと、バッテリーの消耗が早くなったりデバイスの電源が切れたりすることがある」としていますので、結露の問題以外でも、iPhoneをあまりに寒い環境で用いるのはデメリットがありそうです。
水没の自覚がある場合には、その場でできる応急処置をして、iPhoneの被害を最小限に留め、Appleサポートや修理店に持ち込みたいものです。
ただ、世の中で水没時の対応として広まっている対象法の中には、実はやってはいけない事、逆に、これだけはやっておいた方が良いという対象法まで珠玉混交の状態です。
万が一、iPhoneが水没してしまった際に、絶対にやっていけない対処法があります。
この間違った対処法を実施してしまうと、最悪の場合、iPhoneは2度と復活しない…といった、悔やんでも悔やみきれない結果にならないよう、しっかりチェックしておく必要があります。
● 切れている電源を入れる(ONにする)
水没時に電源が切れたら、決してONにしてはいけません。OFFのままサポートや修理店に持ち込みましょう。
● 充電する
危険性という点も含め、絶対に充電コードを繋がないでください(ワイヤレス充電も同じ)。
● 普通に使う
入り込んだ液体の量があまり多くない場合や、電源に関わる部品に液体が至っていない場合には、電源も入りますし、機能も失われずに日常の利用が可能な場合があります。
しかし、何らかの症状が出ている・出ていないに関わらず、内部に侵入した液体は基盤等に錆びや腐食を発生させるなど、いずれ不具合や故障の原因となりますので、もし、電源も入って普通に使えても、できるだけ早くサポートや専門店に持ち込んでチェックを受けるべきです。
● 真水以外に水没した際に放置する
前項の「普通に使う」と似ているのですが、海水や汚水、ジュースやコーヒー、スープやつゆなどの液体が浸入した場合には、できるだけ早く真水で洗浄する必要があります。
不純物を含む液体が浸入した場合には、塩分等が悪影響を与え、錆びや腐食がより進んでしまうため、真水による洗浄の後水分を飛ばす必要がありますが、自身で真水洗浄は難しいため、一刻も早く専門手での手当てが必要です。
● 本体を振って中の水を出そうとする
もしかすると、まだ全体に水が回っていない可能性があるのに、本体を振ってしまうとまだ水が浸入していない部分に水を広げてしまい、状況を悪化させてしまう可能性があるため、絶対に振ってはいけません。
● 強制的に乾かそうとする
ドライヤーの風を当てるのは良いとする説もありますが、実はNG行動です。ドライヤーの風を当てても内部にはほとんど届きませんし、温風・熱風は別の意味でiPhoneにとってダメージになります。また風が内部まで届いたとしても、「本体を振る」場合と同様に、まだ水が入り込んでいない場所に拡大させてしまう可能性があるためです。
もっと凄い対処法もあって、なんと電子レンジで加熱するというような、信じられないような対応法が出回っていますが、当然ですが、NG中の大NG対処法です。精密機器であるiPhoneは完全に破壊される事になります。
絶対にしてはいけない対応がある反面、できればしておきたい対応策もありますのでご紹介しておきます。
● 電源を切って一切の動作をさせない
NG集の逆ですが、水没で電源が落ちている場合には「ONにしてみる」等を試さず、電源はOFFのままにします。電源が落ちていない場合には、できるだけ早く電源をOFFにします。
また、充電を含む一切の動作をさせないようにします。
● アクセサリー類やSIMカードトレー等を全て外す
ケース・イヤホン等のアクセサリーを一切はずしておきます。
また、SIMカードトレーを外し、SIMとトレーをはずしておきます。
● 表面から可能な水分を全て拭き取る
柔らかいタオルなど、表目に傷をつけないような布で表面の水分をふき取ります。
また、イヤホンジャック、Lightningコネクタ、SIMカードスロット、ホームボタンや電源・音量ボタンなどから滲む水分もタオルやティッシュで吸い取るようにします。
iPhoneが水没した際に、「やると効果があるらしい」と言われている裏技があります。
本当は、シリカゲル等の乾燥剤があればよいのですが、一般家庭にそう大量の乾燥剤があるとは思えませんが、そこで意外に効果を発揮するのが「米」だと言われています。
米は湿気やすい食品ですので、その分、iPhoneの中の水気を吸い取ってくれるというのです。
ジップロックなどの密閉容器に生米を入れて、水没iPhoneを一緒に入れておく事で、内部に侵入した水分を吸い取って乾燥しやすくなるとの事です。
実際に効果があるという噂ですので、試してみる価値はあるかもしれません。
ただし、サポートや修理店に持込む事の代替案としての対応策ではありません。
すぐにサポートや修理店に持込めない場合に、1日~2日間を「放置するよりはマシ」という対応策ですので、コメによる乾燥だけに頼らず、必ずサポート・修理店での専門家の診断やメンテナンス・修理を受けるようにしてください。
今回は、冬でも起こる水没=液体侵入にすいて解説しました。
冬に発生する水没は、もちろん、季節問わずの原因も多いのですが、「結露」によって引き起こされる冬ならではの水没が起こる事を覚えておいてください。
結露による水没は、利用者に自覚がないだけになかなか発見されにくいケースが多いのですが、各機種ごとの「液体侵入インジケーター」を定期的に確認する事をお勧めします。
そして、現状、普通通りに利用可能で、何ら不具合や故障が起こっていない場合でも、インジケーターが赤色化していた場合には、必ず、サポート・修理店など専門家による診断・メンテナンス・修理を受ける事をお勧めします。
水没によるダメージはその場では発生しない場合が多く、数日~数か月かけてじわじわと錆びや腐食が進み、ある日突然不具合が発生する事も少なくありません。
そういう場合には、時すでに遅し…で、回復不可能なダメージを負ってしまっている可能性もありますので、早め早めの対処が重要です。
また、水没時のNG対応法には絶対に手を出さない事を強くお勧めします。
参考URL:
https://support.apple.com/ja-jp/HT204104
https://www.apple.com/jp/batteries/maximizing-performance/
画像URL:
https://support.apple.com/ja-jp/HT204104
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