iPhone水没、乾燥させたら問題解決ではない!乾燥後が大切!

[公開日:2019/04/29]
筆者: 梅田店

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iPhone修理のダイワンテレコム梅田店です。

水と親しむ季節~夏は、iPhoneにとって「水没」の危険性が急上昇する季節です。

海や川、湖ばかりではなく、水族館でイルカやシャチに水を浴びせられたり、水溜りへ突っ込むジェットコースターなど、防水機能のない「6s」までのiPhoneには危険がいっぱいです。

さらに、防水機能を装備したiPhone 7以降であっても、SIMトレーがしっかり閉まっていなかったり、お尻のポケットで変形していたりすれば容易に「水没」はあり得ます。

起こってしまった事はしょうがない。

と言う事で、今回は、水没後の対処でその後のiPhoneの命運が大きく左右されてしまうというお話しです。

初期対応が肝心!できるだけ早く乾燥させよう!

iPhoneが水没したら、まずは乾燥させる事が最重事項ですが、乾燥させたい余りにやってしまう「禁じ手」も存在しますので、やみくもにあらゆる手段を使って乾燥させればよいと言う訳ではありません。

まずは本体からSIMカードを抜き、水気をふき取り乾燥させよう

何はともあれ、タオルなどでiPhoneの水気をふき取ります。

そして、SIMトレーを開き、SIMカードを抜き取ります。

本体を拭く前にSIMを取り外すと、iPhone外装に付いていた水滴が、SIMスロットから侵入してしまう場合がありますので、先にタオルで本体外装の水分をふき取ってからSIMを外します。

さらに、SIMトレースロットやイヤホンジャック、ライトニングプラグの差込口など、iPhone内部に通じている「穴」にティッシュやキッチンペーパー等の吸湿力の強い紙をコヨリにして水分を吸い取ります。

よくやりがちなのが、タオルの上で「穴」を下にトントンしたり、コヨリにより多くの水分を吸わせようと、iPhoneを振るような動作は「NG」です。

もしかすると、まだ水が浸入していない部分にあえて水を侵入させてしまい、状況を悪化させてしまう可能性があるので、決して振ったりトントンしてはいけません。

乾燥剤と一緒に密閉容器に入れて保管

本体の水分をできるだけふき取ったら、乾燥剤と一緒にジップロック等の密閉容器に水没iPhoneを入れて保管します。

乾燥剤なんて持ってるわけないでしょ。

ごもっとも。

そうそう都合よく、iPhoneが水没した日に限って、乾燥剤入りのお菓子が大量に自宅にある…なんて事はまずあり得ませんよね。

乾燥剤がない場合は生米で代用可能

Amazonプライム会員さんなら、翌日には大量の乾燥剤を入手できるかもしれませんが、到着まで手をこまねいているのも無策なので、そういう場合には、お米と一緒に密閉しておくと良いです。

食塩の瓶に炒った米が入っているのを見た事があるかもしれませんが、あれは、コメが湿気をよく吸収する事を利用した、塩の湿気防止策ですので、それを応用するという訳です。

全体が覆い隠される程度の精米した米の中にiPhoneを入れ、ジップロックなどで密封して保管します。

強制的な乾燥は二次被害を生む可能性が高い

早く乾燥させたい一心で、ドライヤーの風を当てたり、冷蔵庫に入れたり、日向で直射日光に当てたりと、様々な乾燥を促進する方法を思いつきますが、それらは大抵、あまり意味がありません。

無意味なだけならまだマシで、逆に、もっと被害を拡大してしまったり、水没とは無関係の別のダメージをiPhoneに与えてしまう場合もあるいので、充分に注意が必要です。

ドライヤーで乾燥させるのはお勧めできない、熱風など言語道断

ドライヤーの風で乾燥させようとするのはiPhone内部になりますが、SIMトレースロットやイヤホンジャックからではあまり風が入らないばかりか、もし風が入った場合には、浸食されていなかった部分に風圧で水が回ってしまう可能性があるため、お勧めできません。

まして、熱風をあてる事は、乾燥を促進するよりも熱による筐体、基盤、電子機器へのダメージの方が深刻になってしまう可能性が高いので、絶対に避けるべきです。

冷蔵庫に入れて乾燥促進、効果は疑問な上にさらなる水滴発生

主婦の知恵的な「お茶」や「海苔」を湿気させずに保管する方法として冷蔵庫保管があります。

それに倣って、水没したiPhoneも乾燥させる事ができるのではないか…と言う事ですが、着眼点は素晴らしいと思うのですが、その乾燥効果が不明な上、冷え冷えになって冷蔵庫から出したiPhoneは、確実に結露しますので、内部に新たな水滴を生んでしまう可能性があります。

乾燥促進のために冷蔵庫に入れて、逆に水滴を増やしてしまっては元も子もありませんので避けた方が無難です。

直射日光に当てて水分を飛ばすのは危険すぎる

いわゆる「天日干し」という発想でしょうか。

直射日光に当てて水分を飛ばそうという試みはかなり危険な賭けに思えます。

そもそも、AppleはiPhoneの使用環境について周囲温度0℃~35℃を推奨していますが、直射日光下では周囲温度は軽く50度を超え、クルマのダッシュボード上等では70℃~80℃にもなるという実験結果もあります。

そんな温度にiPhoneを晒す事は、水没とは無関係にiPhoneに深刻なダメージを負わせる事となりますので、絶対に避けるべきです。

iPhone水没時の初期対応まとめ

水没時にユーザーができる事はあまりありません。

  • まずはiPhoneの水分をタオルなどでふき取る
  • SIMカードを外し、紛失しないよう保管する
  • SIMトレースロットやイヤホンジャック等にコヨリを差し込んで水分を吸収する
  • 乾燥剤、あるいは生米を代用品として、iPhoneを覆うように密閉容器に入れる

ただし、以下はNG行為です。

  • A.iPhoneを振る、叩く、トントンする
  • B.送風や冷蔵庫などの強制的な乾燥促進はかえって「仇」となる場合が多いので避ける
  • C.電源を入れる
  • D.大丈夫そうなのでそのまま使う

AとBについては既に説明済ですので、CとDについては以下で説明します。

電源はOFFにしておく、様子見の電源ONは命とりの可能性

iPhoneを水没させてしまった際に、電源がONのままになっていて画面表示がある場合、動作させずにそのまま電源をOFFにします。

水没時に電源OFFになった場合はそのままOFFにし、決して様子見で電源を入れないようにします。

基盤(電子回路)に水滴が付着しているところを想像してみてください。

簡単な例えですが、基盤上の電子部品が、X→Y→Zと順に電流が流れるように作られているとして、XとZにまたがって水滴が付着している場合、電気を通す水は、X→Zに電気を通してしまいます。

素人考えでも、それが良い事には思えませんよね。

水没iPhoneに電源を入れると言う事は、そういう事だと理解しておけば、試しに電源を入れてみるという行為が、下手をすればiPhoneの命取りになる事は想像できるはずです。

水没iPhoneは電源OFFが基本です。

水没した液体が真水ではない場合は少々厄介

全く不純物が含まれていない純粋な水、例えば精製水等に水没する事はまずありません。

大抵の場合、水没した液体には何らかのiPhoneにとっての不純物が含まれています。

iPhoneによっての不純物とは、例えば、スポーツドリンクには人間には必要なミネラル等が含まれますが、iPhoneにとっては水以外の厄介な不純物に過ぎない訳です。

iPhoneが水没した液体に含まれる不純物が多ければ多いほど、iPhoneのダメージは大きく、普及する可能性にも大きな影響を与えます。

「焼おにぎり」や「竜田揚げ」は焦げやすいってご存知でしょうか。

醤油や味噌などを塗って焼くおにぎりや、醤油やみりんに漬けこんで揚げる竜田揚げは非常に焦げやすい性質ですが、人間には焦げた香りがまた何とも香ばしくて食欲をそそられますが、iPhoneの中に入り込んだ不純物も焦げやすく故障・不具合の元となります。

つまり、不純物が大量に含まれた水分が付着した状態で通電すると、基盤や電子機器が焦げてしまう事があるため、水没したのが海や川、湖、さらにジュースやみそ汁といった不純物が大量に含まれる液体の場合は、通電は絶対に避けるべきです。

真水だとしても水没iPhoneは電源OFFが基本ですので、まして、不純物が多い液体での水没の場合には、回路や部品が焦げる事もあり得るため、絶対に通電は避けるべきです。

大丈夫そうなのでそのまま使うのは将来に禍根を残す

電源も入るし、操作してみたけど正常に動作するので、「大丈夫そうだ」と勝手に判断しそのまま使う事にした。

そのまま何事も起こらずに端末としての寿命を全うできるか、いずれかの時点で不具合や故障を発症する可能性は、その時点ではわかりません。

防水機能のないiPhoneであっても、たまたま本体内部には水が入っておらず、本当に何も不具合の「種」を残さずに済むケースも可能性としては皆無ではありません。

しかし、経験則で言えば、水没はかなりの高確率でiPhone内部に水が浸入している場合が多く、その場は不具合が発症していなくても、回路や部品の腐蝕が進み、しばらく経ってから電源が入らない、異常な動作をする等が発症するケースが多々あります。

iPhoneの不調の原因を調べてみると、意外なほど「水没」が原因の不調が多く、ユーザー本人が水没の意識を持たない程の軽微な「濡れ」でも水没反応してしまうケースもあるのです。

専門家として言わせて貰うなら、今は問題なさそうに見えても、修理店等で分解チェックし、最低限内部クリーニングだけでも実施しておく事が安心に繋がります。

もちろん、クリーニングの料金はかかってしまいますが、「たぶん大丈夫」という賭けに、将来負けた際にはクリーニング料金よりももっと大きな出費となる事を考えれば、安心を買うつもりで修理店に持ち込まれる事を強くお勧めします。

結論:水没後の対応として乾燥は大切だが、それで問題解決ではない

ここまで見てきたように、水没後の対応にも良し悪しがありますが、基本的にはまずは乾燥が大切です。

しかし、iPhoneが完全に乾燥したからと言ってそれで問題が全て解決する訳ではなく、初期対応としての乾燥の次がiPhoneの寿命まで決しかねない重要なステップであると言えます。

要は、水没時にiPhone内に入り込んだ水による基盤や部品の破損の有無、一旦濡れた部分はそのままでは必ず腐蝕すること、さらに、水没時に入り込んだ水に含まれていた不純物の種類や多さによる影響など、乾燥後に現れてくる不具合の「種」になる事を発見・除去する事が重要というわけです。

無駄になるかもしれないが、専門家に見て貰うのが一番

素人判断で、何事もなさそうだから大丈夫じゃない?

その「当てずっぽう」が当たって、本当に何事もなければそれに越した事はありません。

しかし、専門家なら見つけられた将来の不具合や故障の「種」を見落としたばっかりに、数週間あるいは数か月後に不調が現れてきたとしたら、「あの時、専門家に見せていれば」と後悔しても遅いのです。

Apple正規修理サポートが基本だが、水没は保証対象外

イザという時のための保証「Apple Care+」ですが、残念ながら、水没(Appleでは「液体による損傷」と表現)は保証対象外で、Apple Care+は適用されません。

内部クリーニングはもちろん、部品交換等は全て実費での請求となります。

他の故障や不具合で、保証が効くのであればApple正規修理サポートという選択肢は大いにメリットがありますが、水没に関しては、Apple Care+は何もしてくれません。

ダイワンテレコムの水没チェックと修理について

Apple正規修理サポートではないとすれば、選択肢はiPhone修理店と言う事になります。

ダイワンテレコムでは年間を通じて水没iPhoneの修理・クリーニングを承っておりますが、やはり夏場は件数が非常に多くなり、夏がiPhoneにとって以下に要注意季節かを物語っています。

当社では、まず持ち込まれたiPhoneを分解して状況を確認し、必要となる作業内容をお客様にお伝えし、ご了承頂いた作業を実施する手順の修理作業を実施いたします。

最も軽度であれば、内部クリーニングによって水分を完全に除去するのみで済むケースから、症状が重い場合には、必要となる部品交換を実施するケースまでiPhoneの水没状態によって作業内容は様々ですが、専門家としてのアドバイスをさせて頂きながら、お客様の望む方向での作業となります。

費用は、内部クリーニングのみの場合には基本料金6,800円のみのご請求となりますが、その他の作業については逐一ご相談の上、ユーザー了承の元での作業を実施いたします。

ご提案した作業内容にご了承頂けない場合(例えば修理箇所が多すぎて予算オーバー等)には、その時点で修理のご依頼をキャンセルする事が可能ですが、内部確認のための分解を含む各種作業を実施しておりますので、それらの作業料金5,000円のみご請求させて頂きます。

なお、腐蝕が進んだことにより基盤自体の交換・修理が必要な場合には、国内法(電波法)の定めによりダイワンテレコム(他の修理店も同様)では作業をお受けする事ができませんので、予めご了承ください。

 

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