夏に多いiPhoneのトラブルと言えば、ダントツで「水没」です。
海や川、湖にプール、など、iPhoneが水に触れる機会が増しますし、アミューズメント施設で水をぶっかけられる事もあれば、釣りに出かけて波を被った等々、まさかと思うような水物事例はいくらでもあります。
また、iPhoneの水没は水の中に落ちるだけでなく、冷たい飲み物の結露がテーブルに溜って知らない間にiPhoneが水溜りの中だったなんて、笑えない嘘のような水没も起こってしまいます。
そんなiPhoneが水没してしまった際に、皆さんならどうします?
WEBを検索すると、「私はこうして水没iPhoneを復活させた」という記事がたくさん見つかりますが、本当にそうした対処法でiPhoneは復活するのでしょうか。
以下は、水没iPhoneをうまく復活させることができたという、ネット上で見つけた水没iPhoneの乾燥方法です。
方法はとてもシンプルです。
密閉できる容器(ジップロック等)に大量の乾燥剤と水没iPhoneを入れておくだけで、数日すれば、iPhoneの機体内の水分も全て乾燥するので、iPhoneが正常に動作するようになったというものです。
実際にこの方法で復活させる事ができた方がいるので、水没iPhoneを乾燥させる効果はあるのではないでしょうか。
ただ問題なのは、iPhoneが水没したタイミングで、一般家庭にそんなに大量に乾燥剤のストックがあるか?という点ではないでしょうか。
Amazonでも乾燥剤を売っていて、Prime会員さんなら翌日には入手できるとすれば間に合うのかもしれませんが、パソコンやタブレットなど、iPhone以外のネット端末がないと注文できないのは大きな障害かもしれません。
日ごろからお菓子や食品の乾燥材を貯めておけばいいのかもしれませんが、その乾燥剤がまだ湿気を吸い取る力が残っているかどうかが分からないのに、そこから数日間、不確かな効果に賭けるのは少々怖い気がします。
乾燥剤の代わりに生米を使用する方法で、密閉容器に入れて数日間の乾燥を行った結果、水没iPhoneが復活したというものです。
生米ならどの家庭にも大抵ありますし、もしない場合でも、乾燥剤よりはコメの方が入手しやすいので、これはイケるのでは…、と思われるかもしれませんが果たしてどうなんでしょうか。
精米したてのコメは湿気をよく吸収するのは確かです。
余談ですが、食卓用の瓶入りの食塩が湿気て固まったら、炒った米を入れると良いというのをご存知でしょうか。
これはコメの吸湿性を利用した乾燥剤代わりの使い方ですが、塩の湿気と、水没iPhoneの本体内に入り込んだ水の量とで、効果は全く異なると思いますが、何もしないより少しでもiPhone内部を乾燥させるという意味で、一定の効果があるのかもしれません。
乾燥剤・生米と同じ乾燥しやすいと言う意味で、冷蔵庫の中も乾燥させる効果は多少あるのかもしれません。
お茶や海苔を冷蔵庫に保管するといった主婦の知恵もありますので、水没iPhoneも、放置しておくよりは少し乾燥が早まるのかもしれません。
でも、問題なのは結露です。
夏場などでは冷蔵庫から出した途端に「内部で結露」して、新たな水滴が発生、さらなる水没状態を作り出すような気がします。
iPhoneを乾燥させるために、ドライヤーで風を当てていたら復活したというWEBもいくつかありました。
ただ、内部を乾燥させられるほどの量の風を送り込む窓がありませんので、どれだけ乾燥効果があるのかわかりませんし、SIMトレースロットの開口部から風を送った場合、水気をさら奥へと押し込んでしまう可能性を考えると、あまり良い方策とも思えません。
それであれば、まだ乾燥剤や生米での乾燥の方が、水気をiPhone内部で移動させないという意味で、2次的な被害を拡大しないと言えるかもしれません。
当然ですが、個々で言う「風」は常温の風の事であり、熱風ではありません。
熱風など当てたら、水気を押し込むだけでなく、熱による電子部品へのダメージも加わってしまい、不具合の原因をさらに作ってしまうことにもなり兼ねません。熱風は絶対にNGの1つと言えます。
余談ですが、iPhone水没時の絶対NG行為には以下のようなものがあります。
ここまで、水没iPhoneの乾燥について、効果がありそうな方法を探してみました。
皆さんはどの方法が最も乾燥効果があると思いますか?
水没iPhoneを復活させるのはどの方法だと思いますか?
前項の文中、筆者は意識的に「乾燥には効果がある」と何回か述べている事に気づかれたでしょうか。
そう、乾燥剤も生米も、ドライヤーも冷蔵庫も水没iPhoneの乾燥には一定の効果があるのかもしれません。
しかし、もしそれでiPhoneが完全に乾燥したとしても、それがすなわち、iPhoneが元の状態に戻って復活したのかと言えば、それは「NO」です。根本的な解決にはなっていません。
もちろん、WEB上にあるそうした情報は本当にあった事でしょうし、その事例では、その後何の不具合も発生せずに利用できているのだと思いますが、必ずしも、全ての水没iPhoneに有効かどうかは分かりません。
逆に、無効かどうかも分からない訳ですが、結局のところ、その個別の事例として「その時はそうだった」と言う事でしかないと言う事になります。
不純物が一切混ざっていない「精製水」のような水に水没する可能性は皆無に近いです。
蛇口から出る、飲料にもできる水であっても、消毒用塩素や、水道管の鉄分などが溶け込んでいますが、プールではもっと別の何かが溶け込んでいるのは誰でも想像がつきます。
まして、海や川や湖、さらには、水溜りや田んぼ、さらにジュースやみそ汁を溢したとなると、もうどれだけの物質が溶け込んでいるか想像もできませんが、そうしたいわゆる(iPhoneにとっては)不純物が多ければ多いほど、乾燥してからも故障や不具合の原因となります。
さらに、例え「精製水」に水没したとしても、一旦濡れた電子部品は、その直後から腐蝕が始まりある程度の時間経過後に不具合を発生させる原因となります。
つまり、「乾燥」させる事は必要な事ではあっても、それで問題が解決したわけではないのです。
焼おにぎりを作った事がありますか?
白飯のおにぎりに、醤油や味噌を塗って七輪の炭火で焼いた焼きおにぎりなんて絶品です。
でも、焼くときにお婆ちゃんから注意されるんです。
「お醤油やお味噌は焦げやすいから気を付けるんだよ」
そうなんです。焦げやすいんです。
例え完全乾燥させたからと言って、不純物がiPhoneに残ったままで通電させると、焼きおにぎりの醤油や味噌のように焦げて電子部品を破壊、回路を断線させる事があります。
必ずしも、水没先がお刺身の醤油やみそ汁の中とは限りませんが、前述の通り、水没時に「精製水」的な不純物のない水であるケースは稀(いや、ほぼないと言えます)で、醤油・味噌に関わらず何らかの不純物が必ずiPhoneの回路上に残ると考えるのが妥当です。
それをそのままにしていると、今はiPhone内部が乾燥して何事もないように見えても、腐食が進んだり、不純物が通電によって焦げる事で、次に起こるのは、取り返しのつかない不具合(決定的なダメージ)が発生してしまう可能性が大きいのです。
Appleで正規修理サービスを受けるにしても、街の修理店で修理するにしても、持込むまでの間を放置せずに、少しでも乾燥させる努力をするのは重要な対応策であり、大きな意味があります。
しかし、それで仮にiPhoneが完全に乾燥したとしても、それで全てが解決したとは言えないのです。
逆にそこからどんな対応をするか、iPhoneに何をするかで、将来の決定的なダメージを回避できる可能性が生まれるとも言えるわけです。
つまり、乾燥させる事は重要だが、必ず、専門ショップで分解クリーニングをすべきというが、根本解決に繋がる方法というわけです。
筆者は、iPhone 7は歴史に残る名機だと思っています。
名機というより、1つの区切りになったモデルと言えるかもしれません。
つまり、「電子決済機能」と「耐水機能」が搭載された事で、それまでのiPhone 6s以前とは一線を画すモデルとなりました。
それ以降のiPhoneは、歴代「耐水機能」を搭載し、徐々に耐水レベルも向上しています。
実は筆者の知人の事例ですが、実際にiPhone 7で水没が起こった事がありました。
「最近、バッテリーの減りが激しくなり、動作も不安定」と感じていた知人は、SIMカードを入れ替える際に、SIMカードスロットにある水没インジケータが赤くなっているのを発見したそうです。
海川に落としたり、大雨に濡れた覚えもないので不思議に思いAppleサポートに相談したところ、SIMカードトレーのゴムパッキンが何かに押し付けられたように変形して、そこから水が浸入したようだと言う事がわかったそうです。
このように、例え耐水機能搭載のiPhoneであっても、パッキンの変形や劣化、強い衝撃によるボディのゆがみなどによってiPhone内部に水気が浸入する事はあり得ます。
あくまでも「耐水機能」ですので、「雨の中で使用する」「お風呂で使用する」などの水回りでの使用には十分注意する必要があります。
最近、どうもiPhoneの調子が芳しくないと感じる場合には、SIMトレーを外して内部にあるインジケーターの色を確認してみる事をお勧めします。
こちらは、iPhone7/7Plus以降のiPhoneの水没インジケーターの場所ですが、iPhone5以降のiPhoneは、必ずこの位置(SIMトレースロット内)にインジケーターがあります。
もしかするとiPhoneの不調の原因は、知らない間に発生した「水没」かもしれません。
やっぱり修理に出さなきゃダメか。
となった時に、ユーザーが選べる選択肢は基本的には2つです。
1つは、Appleの正規修理サポートを利用する方法、もう1つは、街の修理店を利用する方法です。
Appleの正規修理サポートを利用する場合には、2通りの方法があります。
Apple Store及び正規サービスプロバイダーに自ら持込む「持込み修理」と、配送を利用する「配送修理」です。
「持込み修理」の場合には、事前に修理可能なApple Store直営店や正規サービスプロバイダーに予約を取る必要があります。
「現在値」に他に、住所や市町村名、郵便番号等から「最寄りの店舗(距離)」あるいは「予約が取りやすい店舗(予約空き状況)」を検索する事ができます。
店舗での作業時間(待ち時間)は作業内容によってマチマチですが最短でも数時間はかかる事が多いです。場合によって店舗で修理できないケースでは、Appleリペアセンターへ送って修理を行うため5~7営業日かかる場合もあります。
「配送修理」の場合は、集荷日時を指定すれば指定日時に配送業者が集荷に来るので、iPhoneを渡せば数日後に修理完了したiPhoneが配送によって手元に戻ります。
集荷の際、梱包は不要で、そのまま配送員に手渡せば、配送業者が梱包して発送してくれます。
作業時間(待ち時間)は、大抵の場合5~7営業日で完了する場合が多いですが、状況によって延長となる場合もあります。
これはわかりません。
水没したのがたまたま不純物の少ない水で、内部のクリーニングだけで済む場合と、すでに何らかの故障・不具合が発生している場合では修理費用は全く異なります。
まして、水没は保証対象外となるため、ある程度の金額は覚悟しなければなりません。
もう1つの選択肢は街の修理店を利用することです。
街の修理店の1つであるダイワンテレコムの水没iPhoneに対する対応をご紹介します。
まずは電源についてですが、水没後に電源が入っている場合には電源OFFにしてください。電源が落ちている場合にはOFFのままにし、電源をONにしないでください。
次にiPhone本体からできるだけ水気をふき取ってください。また、ジュースやコーヒー等を溢した場合にはざっと手動水で流してから水気をふき取ってください(無理に中まで水を入れる必要はありません)。
最後に、乾燥剤があればジップロックなどの密閉容器に入れた状態でダイワンテレコムへお持ちください。
当然ですが、持ち込みが早ければ早い程、普及できる確率は高くなります。必ず復旧するというお約束はできませんが、水没後の対応と、持込みまでの時間が大きく影響する事は確かです。
ダイワンテレコムへ水没iPhoneを持ち込む際の注意点です。
1台1台状況が異なるため、一概に「○○円です」と断定するのは難しいですが、過去事例など経験則で言えば、分解した上でクリーニングのみで問題ない場合で、6,800円~となります。
どの程度まで修理・交換するかをお客様とスタッフで相談しながら進める事もできますので、お気軽にご相談頂ければと思います。
対処が早ければ早いほど、修復できる可能性が高くなりますので、水没してから間を置かずにご対応されることをお勧め致します。
新宿本店
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