iPhone8 / 8Plusは背面パネルがガラスになりました。
そのため、端末内部では今までのiphoneと比べ多くの変更点があります。修理店の中ではiPhone8やiPhoneXのフロントパネル交換を展開している店舗も増えてきましたが、iPhone8の完全分解まで出来る店舗は非常に僅かです。部品もそこまで流通が多くなく、内部の状態・配置も複雑になっているのであまり世の中に出回っていない知識・画像(写真)を踏まえてご紹介していきますね。
今回のご依頼はiPhone8の「リアカメラレンズの交換」です。
背面はメタルではなくガラスなので、背面パネルまで割れてしまう場合がありますが、当店ではここを交換することは出来ません。あくまでも外カメラのガラスレンズを交換するという修理になります。
※今回の修理はバックカメラのレンズ交換です。カメラ自体を交換することももちろん可能です。
開け方はiPhone7と同じで横に開く形状です。
iPhone5以降、6SPlusまでは縦開き、iPhone7からiPhoneXまでは横開きとなっています。フロントパネルと端末が繋がっているケーブルの支点が1ヵ所から2ヵ所になっていますので、どっちも気にしながら開ける必要がありますね。
開ける時にはこの形状をしっかりと理解した上で注意しないとケーブルを痛める事があります。ホームボタンガ効かなくなるとか、表示が出なくなる・タッチが効かないなどもこのケーブルを痛めたら出てくる症状ですので、そうなった場合にはフロントパネルを変えないと直すことは出来ません。修理店様はご注意を!!
フロントパネルを外した状態がこちら。
パッと見た感じ、iPhone7と変わらない・・?と思いますよね?実は結構違います。甘く見てはいけません。以前、軽い気持ちで開けて地獄を見た僕が言うんで間違いないですよ。しっかりと予習を繰り返してからトライしましょうね。
今回はリアカメラレンズの交換ですが、実は基盤を外さないと取り掛かる事が出来ません!!
その為、基盤を外す前に、基盤まわりに固定されているパーツ、ネジなどを片っ端から外す必要があります。
ここの作業はiPhone7とほぼ同じなので、修理店様では容易かも知れません。
一応、途中経過画像も載せておきますね。
どこが違うか、見比べてみて下さい。
ただただネジを外すだけでは基盤が取れません。
注意ポイントが随所にあります。また、各々の接続箇所 / コネクターの小型化が進んでいます。小さくなっているのはもちろん、深さも(浅いものなど)変更されています。いつものノリでテキパキ外しているとコネクタではなく基盤自体を痛める可能性だってあります。細心の注意をはらって、形状を確認しながら分解することをお勧めします。
固定箇所で言いますと、接着部分もあれば、トラップみたいな場所もあります。けっこう大変なので、ちゃんと注意して確認してくださいね!無理やり外そうとして基盤を痛める事のないように注意しましょう。
取り外した状態を見ると、色々とヒントがあるかなと思います。
今までと違う構造・・このタイミングで非常に痛感しました。
レンズを外す前に、「枠(わく)」の部分を外す必要があります。
ここを外さないとレンズが触れません。
ここは、ちょっとずつちょっとずつ剥がしていきます。「リアカメラレンズ」と「ここの枠(わく)」は溶接で繋がっていますので、ある程度力を加えないと剥がせません。ここは、経験値がものをいうかなと。iPhone7の同箇所の修理をやっていれば、近いイメージです。取り外す部品は今までよりも大きくなっていますので、取り外す部分(部品の形)を認識して作業してみてくださいね。
取り終わるとこんな感じです。
ここまでくれば簡単に外せます。内側から「グッ」と。 はい、綺麗に外せました。
ここからは新しい部品に変えて組み上げていくだけです。
リアカメラレンズの固定は、今まで通りに行きません。なにせ、背面がガラスになってしまったので、接着剤が通用しません。これを綺麗に固定(取り付ける)することが出来れば修理は完璧です。(ここはまだ、企業秘密にさせて頂きますね)
修理が終わりました。施工後にはこのような状態になります。
綺麗に修理できました。
今回の修理は
修理内容【iPhone8 / リアカメラレンズ交換】
作業時間【120分程度】
修理費用【9,800円(税別)】
でのご請求になりました。
以上、技術に自信があるからこその「大公開」でした。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。今回は比較的最新機種で、あまり技術的な開示が出回っていない修理だった為に画像も多めに載せました。たくさんの方に見て頂けるようであれば、また違う機種の修理もこれくらいの熱量でお届けしようかなと思います。
修理店は本当に増加の傾向にあり、お客様には非常に多くの選択肢が広がっています。料金の安い・高いや、アクセス(立地)での優位性、広告に経費をどれくらいかけるのか・・など。
ただ、技術・知識・経験値を持っている修理店がだんだん減っている傾向にあるのも現実としてあります。
ここを重要に考えているお客様がそこまで多くないのかもしれません。それにあまり目立たない、伝わりづらい部分でもあると思います。それでも、修理の経験値というのは何にも代えがたいもので、簡単な修理だけでなく数々の難しい修理をおこなっているからこそ、分かる部分が沢山あります。
iPhone修理をやっている同業他社様、iPhone修理を求めているお客様のお役に少しでもたてる店舗となれるように、
今まで修理のご依頼を頂き、育てていただいたこの技術・知識・経験値を、ぜひ皆様に還元できるように今後も精一杯やってまいります。
他店で断られた修理・出来ないと言われた修理、ぜひお任せ下さいませ。
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