こんにちは。
iPhone(アイフォン)修理のダイワンテレコム大阪梅田店です。
iPhoneには「耐水機能」が備えられています。
なんだかしっくりこない響きですが、AppleはiPhoneについて「耐水」と表現することはあっても「防水」と表現することはありません。
Appleがかたくなに「耐水機能」と呼び続ける意味を探ります。
Appleが公式に定めているiPhoneの防塵・耐水性能はIEC(国際電気標準会議)が規定した「IPコード」というものに基づいています。
IPコードは基本的に「IP+二ケタの数字」で表され、前の数字が防塵性能の等級をあらわし、うしろの数字が防水性能の等級を表します。
iPhoneでは、iPhone 11 Pro および iPhone 11 Pro Max / iPhone 11 / iPhone XS およびiPhone XS MaxがIP68 等級に適合。
iPhone XR / iPhone X / iPhone 8 および iPhone 8 Plus / iPhone 7 および iPhone 7 PlusはIP67 等級に適合されています。
iPhone 6s以前のiPhoneについては耐水に対応していません。
いずれも防塵等級が6の「あらゆる大きさの固形物、粉塵が内部に侵入しない」なので、これらのiPhoneは小さなチリやホコリが内部に入らない基準を満たしています。
防水等級が8では「連続的に水中に置いても有害な影響がない。水没の条件については製造者が規定する。原則的に密閉構造であること」。7では「一定の水圧で一定時間(30分間)水中に浸かっても有害な影響がない」なので、どちらも高い防水性能を有していることがわかります。
IPコードによると、例えばiPhone 8では「一定の水圧で一定時間(30分間)水中に浸かっても有害な影響がない」という基準を満たしています。
「30分以内なら水に浸かってもいいんだ!」と思われるかもしれませんが、Appleはその上で、「液体による故障は保証しない」としています。
これはIPコードによる基準が真水の水槽に沈めた場合を想定されているからだと思われます。
実際にiPhoneを水没させるシーンとして「浴槽やトイレに落としてしまう」「プールで水を浴びた」「飲み物をこぼした」などといったケースが考えられますね。
水面にiPhoneを落とした場合、深さ数メートルの水槽に沈めたときよりも大きな水圧がiPhoneにかかりますので、基準外になるでしょう。
浴槽の場合40度前後のお湯であることが多いと思われますので、これも基準外です。
プールで水を浴びた場合は消毒用の薬品が混ぜられた水がかかりますし、飲み物は真水とは限りませんので、これらも基準外です。
よくよく考えてみると、日常生活で「iPhoneを水槽にゆっくり沈めてしまった!」なんてケースはほとんどありませんね。
そのため、日常においてiPhoneの水没が起こるときはIPコードの基準はあまり役に立たないんです。
またiPhoneの内部には防水・防塵テープというものが貼られていて、この防水・防塵テープは熱や経年で劣化してしまいます。
そのため、購入してから数年経ったiPhoneや、普段からお風呂に入りながらiPhoneを触っている人などは要注意です。
防水テープが劣化するとIPコードの基準すら満たせなくなってしまいます。
下の画像は、水没してしまったiPhone Xです。
こちらは水面に落としてしまった端末で、あちこちが水で濡れ、金属部分に腐食(さび)が発生してしまっていることがわかります。
また画面中央あたりに赤い線のような部分がありますが、これは水に反応して赤くなるチェッカーです。
この端末は防水・防塵テープが劣化しており、防水機能が低下しているところに高い水圧を受けてしまったために重度の水没が起こってしまいました。
このように、高い耐水機能をもっているiPhone Xであっても防水・防塵テープの劣化や想定以上の水圧には無力です。
iPhoneの常識的な使い方の範囲で「濡れた手でiPhoneを触った」「少し水がかかってしまった」とか「少しの間雨にさらしてしまった」などであればAppleが強調する耐水性能が十二分に発揮されるでしょう。
Appleが「防水」と呼ばないのはiPhoneの防水性能が万全ではないことを伝えたいがためなのかもしれません。
あくまでiPhoneの耐水性能は『保険』であると考えるべきですね。
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