iPhone 11が手元にやってきて5日ほど経過しました。
前年のiPhone XSからの機種変更(※)で、ダウングレードになる面もありますが、そろそろ使い慣れてきたところで、iPhone 11の基本性能・機能、操作性等について、前のメインスマホiPhone XS、たまたま手元にあるZenfone 6との比較を交えながら、実機レビューしてみたいと思います。
機種名 | iPhone 11 | iPhone XS | Zenfone 6 |
---|---|---|---|
合計スコア | 428,427分 | 357,427分 | 376,359分 |
CPU | 123,707分 | 131,423分 | 117,630分 |
GPU | 218,590分 | 148,546分 | 170,823分 |
UX | 74,099分 | 67,433分 | 73,070分 |
MEM | 12,031分 | 10,025分 | 14,836分 |
こちらは、3機種のAntutuスコア比較です。
iPhone 11はCPUこそiPhone XSに、MEMではZenfone 6にトップを譲ったものの、その他の項目と合計スコアでトップとなりました。
昨年のフラッグシップiPhoneである「iPhone XS」は、CPUではトップでしたが、その他のスコアでは軒並み、3機種で最下位の成績でした。
Zenfone 6は、MEMでトップ、CPUでは最下位でしたが、全体としてiPhone 11に次ぐスコアを記録しました。
こちらは、Antutuスコアの歴代モデルのスコアランキング(iOS・Android別)
このランキングのデータによれば、iPhone 11の前身モデルiPhone XRの合計スコアは336,796ですので、90,000以上も向上した事になります。
現状、iPhone XRも、iPhone 11より1万円安く販売継続となっていますが、このスコア差に対して1万円差というのはかなりコスパがよいと思われます。
それにしても、前年のフラッグシップ機が、今年の普及機よりスコアが下回っていたのは、正直、iPhone XSオーナーとしてはショックでした。
機種名 | iPhone 11 | iPhone XS | Zenfone 6 |
---|---|---|---|
Single Core | 5,461 | 4,809 | 3,540 |
Multi Core | 13,635 | 11,423 | 11,178 |
こちらは、「Geek Bench」アプリによる、Single-Core及びMulti-Coreの各スコアの一覧です。
ここではSingle、Multi共にiPhone 11はベストスコアとなっています。
こちらは、歴代モデルのGeek Bench スコアです。
ここでも、iPhone 11のスコアがダントツとなっており、iPhone XSとZenfone 6は同程度のスコアです。
また、iPhone 11のスコアは、iPhone XRに比べて122%となっています。
何気ないところでもiPhone 11の性能向上を意識する事が多々あります。
特筆するような大きな変化ではないですが、日々の使い勝手に大きく影響があります。
iPhone 11も、前年モデルに引き続き「指紋認証」機能はなく「顔認証」のみですが、Face IDの動作・処理が非常に高速化されている事を感じます。
より広い角度で認証するようになったことも手伝って、前年もでるよりも顔認証がスムーズで簡単になった印象です。
デスク上に置いた状態でも、正対せずに少しのぞき込むだけで認証するようになりましたし、スマホスタンドに立てかけてある状態からなら、特に身を乗り出す必要もなく認証を完了します。
細かな部分ですが、これだけでiPhone 11の使い勝手は大幅に向上しています。
「指紋認証の方が良かった」と思うのは、上記のようなシチュエーションで、なかなか認証してくれない時ですが、iPhone 11ではかなり自由度が広がった感じで、サクっと認証してくれる事が増えました。
計測した数値での比較ではなく、筆者の感覚によるものですが、1つ1つのアプリの立ち上りが早くなりました。
実際に、iPhone XSと並べて同じアプリを立ち上げても、ほとんど同時か、iPhone 11の方が早い事が多く、それだけ、日々の使用中のストレスも溜まりにくいと感じています。
その他、ホーム画面の切換えや、通知画面・コントロール画面への切換えなどもスムーズですし、スワイプ、スクロール、ピンチなどの指の動きへの反応も素早くなっているように感じます
iPhoneのボディの特徴としてガラス筐体の採用があります。
iPhone 11 Proではステンレススチールとガラス、iPhone 11ではアルミニウムとガラスの組合せで、全面・背面がガラスとなっており、ガラス独特のヌメっとした硬質な手触りは非常に心地よいものです。
ガラス素材を採用していないZenfone 6は、やはり全体にゴツゴツしており、手に感じる感覚も滑らか感がありません。
Zenfone 6は、発売当時からテストしていますが、価格も含めて非常によくできたスマホで、かなり高コスパだと思ってきましたが、5,000円の価格差でiPhone 11が購入できるとなると、ガラス筐体だけでもiPhone 11を選びたくなります。
この手触りの良さはガラスならでは…です。
iPhone 11シリーズは、事前の予想を良い方に裏切って、前年モデルよりも各端末とも低めの価格設定です。
特に、iPhone XRよりも10,000円安い価格で登場したiPhone 11(64GB)は、かなりインパクトがあるチャレンジングな価格設定だと言えます。
確かに、Androidスマホより割高である事は未だに変わりませんが、それでも2018年モデルの事を思えば、新型iPhoneが74,800円から手に入るというのは、不思議とリーズナブル感が伴います。
前年モデルiPhone XRが値引きされて、さらに1万円安い6,4800円でラインナップに残ったのも絶妙な価格設定ですが、実際に使ってみて思うのは、A12 Bionicと、 A13 Bionicの違いだけでも1万円の差は充分に埋まると感じますし、デュアルカメラになりさらに強化された写真性能を思えば、ベストチョイスはiPhone 11でしょう。
現実的には、ストレージを128GBにするユーザーが多いはずですので、購入価格は、79,800円+税となるのだと思いますが、新しいiPhoneの価格の値ごろ感は充分に「高性能」だと感じます。
日々の利用において、ほとんどデメリットを感じないiPhone 11ですが、筆者が唯一「あぁ~、ここはダメだな」と感じたのは、動画再生においてでした。
筆者のメイン端末は、2018年発売のiPhone XSでディスプレイは有機ELパネルを採用していますが、iPhone 11は液晶ディスプレイです。
出演者の肌のきめ細かさや質感、草花の陰影、全体的なコントラストなど、有機ELパネルには及ばないと感じました。
もちろん、液晶は液晶としてきちんと進化していて、iPhone 7などの旧液晶パネル搭載モデルと比べれば、確実に進化していて、美しく高精彩な画面を手に入れていますが、一旦有機ELに言ってから戻ると、余計にその違いを明確に意識してしまうようです。
どうしても、光って「黒」を表現する液晶と、消灯して「黒」を表現する有機ELでは、黒色の締まり具合が段違いですので、必然的に、その対比としての各カラーも鮮やかに見えるのは、構造的に致し方ない事です。
ただし、iPhone 11 Proとの価格差は64GBモデルで32,000円あります。
有機ELパネルは、この差を支払ってでも手に入れるべきか…と問われると、あまりiPhoneで動画を見ない(Apple TVでテレビに繋ぐか、iPadで見ます)筆者としては「否」と答えざるを得ません。
日々の使用で充分に美しいと感じる液晶で何ら問題ありませんし、日中の屋外での写真撮影時の見えにくさは有機ELパネルの実用性を大きくスポイルしていると感じますので、筆者と同じように使うのであれば、ディスプレイとしてのお勧めはiPhone 11です。
iPhone 11のディスプレイは6.1インチです。
少し前まで、5インチを超えれば大型ディスプレイと言われていましたが、今や6インチクラスは当たり前になってきています。
確かに、大画面の方が画像も見栄えがありますし、動画も迫力が違います。
通常では表示領域が広く、一画面で表示できる情報量が多い訳ですが、文字サイズ(画面拡大)を調整すれば、情報量は減るもののより見やすく表示する事が可能です。
しかし、いずれにしても、縦にスクロールする以外の操作を片手のみで行うのはほぼ無理です。
それは、iPhone 11の6.1インチでも、iPhone 11 Proの5.8インチでも大差ありません。
かつて「小さな名機」と言われ、今なお後継機が待望されているiPhone SEの画面は僅かに4インチでしたが、手が小さな日本人でも楽々片手操作ができたものでしたが、最早、懐かしい気さえします。
いずれにしても、現行モデルで片手操作が辛うじて可能なのは4.7インチのiPhone 8までと考えた方が良さそうです。
相変わらず、ワイヤレス充電は遅いです。
これは、ワイヤレス充電の仕組みの問題で、充電ロスが大きいために充電に時間がかかるのは致し方のない事なのですが、よく「充電コードVSワイヤレス充電、どっちがお勧めか」なんて記事も見かけますが、実用面でみれば「使い分け」をすれば済む事です。
同じ5Wでの充電の場合、充電コードによる充電の方がワイヤレス充電よりも早いのは事実ですが、充電コード接続でもワイヤレス充電でもiPhoneのバッテリーの劣化や消耗は同じですし、時間がかかるワイヤレス充電が電気料金が割高という事もないようなので、単に、急ぐか急がないかで使い分ければ良いように思います。
就寝時に朝まで充電しておくなら、充電が早く終わる必要はないのでワイヤレス充電で良いでしょうし、うっかり充電するのを忘れたので出かけるまでに少しでも充電したいという場合に、ワイヤレス充電の選択はあり得ません。そういうシチュエーションでは充電コードを繋いで効率よく充電すべきです。
ただし、Appleが推奨する7.5W充電ソリューションによるワイヤレス充電であれば、5Wでのコード接続充電よりも早く充電を終えられるのも事実ですので、Apple Storeでラインナップされる「Belkin」や「Native Union」等の充電パッドを購入するのも手かもしれません。
Face IDの認証スピードが向上した事で、Apple Payでの支払いに良い影響が出ています。
ホームボタンのない機種では、Apple Pay支払い時に顔認証を経なければなりませんが、この認証がスムーズに行われるようになり、レジで後ろに並ぶ人の射るような視線がほんの少し軽減された気がします。
反応が早くなっただけでなく、認証できる確度も拡がった事で、これまでのようにiPhoneを顔の前まで持ってきたり、身を乗り出してiPhoneと顔を正対させる必要がなく、ほんの少しのぞき込むような動作で認証されるようになっています。
時間にするとコンマ何秒の世界なのでしょうが、まず、TポイントやPontaなどの「ポイントアプリ」を開いてポイントを貯め、次にApple Payでの決裁へ進む時間は、レジの長蛇の列の先頭ではなかなかのプレッシャーになる事は確かですので、ほんのわずかでも時間が短縮される事は歓迎です。
これまで、iPhoneのボディカラーのカラフル化はあまり賛成ではありませんでした。
かつての不人気モデルの代表iPhone 5cしかり、昨年のiPhone XRしかりです。
そして、今回も6色展開である事が事前リークされ、実は、iPhoneにカラフルはいらないのに…と思っていました。
しかし、今回、新たに加わった2色は従来の傾向とは異なるイメージのカラーでした。
これまでのキャンディカラーのようなカラフル・ポップは好きではありませんでしたが、今回の「グリーン」と 「パープル」は、行ってみればカラフル・シックとも言える色調で、カラフルだけれど大人ぽく落ち着きのある色合いで気に入りました。
64GB | 128GB | 256GB | |
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ホワイト | 2営業日 | 2営業日 | 2営業日 |
ブラック | 2営業日 | 2営業日 | 2営業日 |
グリーン | 3~4週間 | 3~4週間 | 3~4週間 |
イエロー | 2営業日 | 2営業日 | 2営業日 |
パープル | 2~3週間 | 2~3週間 | 2~3週間 |
PRODUCT RED | 2営業日 | 2営業日 | 2営業日 |
こちらは、10月1日時点のiPhone 11の配送予定日です。
やはり、新色の「グリーン」と「パープル」に人気が集中しており、特に、「グリーン」は、今(10/1)注文しても今月内に届けばいい…という程の人気となっています。
この2カラーの配送予定は徐々に伸びていますので、入手したい場合には早めの購入手続きが必要かもしれません。
今回は、「Antutu」及び「Geek Bench」によるスコア比較と、入手してから5日間の使用感についてまとめました。
iPhone 11は、シリーズの廉価版XRの後継機の位置づけであると共に、「Pro」の名を与えられ上級グレードの位置づけとなったXS・XS MAX後継たるiPhone 11 Pro・Pro MAXに変わって、11シリーズのメインモデルになりました。
チップには「Pro」と同じ「A13 Bionic」が奢られ、各主動作や処理が高速化、カメラはデュアルレンズになり、写真性能はより向上しており、普段使いで使用するならiPhone 11で十分と感じます。
トリプル・レンズとなった「Pro」の写真性能はさらに凄いのでしょうし、有機ELパネルの動画視聴時の美しさは筆者も体験済みですが、その差を32,000円で買う価値があるのか…と言えば、多くの一般ユーザーには「ない」と感じます。
最小ストレージ64GBで74,800円の価格設定も含め、iPhone 11はきっとヒットする…そんな気がします。
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