仕事や学校から帰ってきて、お風呂でリラックス。
そんなゆっくりとした時間、手元にiPhoneがあればYouTubeを見たりSNSを見たりと至れり尽くせりではないか……と考えたことのある人も多くいらっしゃることでしょう。
しかし同時にこう考えるはずです。
「お風呂にiPhoneを持ち込んでも大丈夫なのかな…?」
当記事では、浴室にiPhoneを持ち込む際に気を付けておきたいことや、お風呂にiPhoneを持ち込むリスクについて解説していきます。
iPhone 7以降、iPhoneは耐水機能を備えるようになりました。
特に2019年発売のiPhone 11や2020年発売のiPhone 12シリーズでは、さらに耐水性能が向上しています。
Apple公式サイトを見ると、いかにも水に強そうな印象を与える写真で耐水性能がPRされています。
画像:Apple
これだけ見るとiPhoneをお風呂に持ち込んでも問題なさそうに見えます。
しかし、結論から言うと「iPhoneをそのままお風呂に持ち込むのは水没のリスクが非常に高い」です。
ここからは、iPhoneの耐水機能を過信してはいけない理由について説明していきます。
iPhoneをはじめとしたスマートフォン、引いては電化製品の耐水性能は、「IP等級」という値で評価が行われます。
このIP等級は、「電化製品の内部に固形物や水が侵入するかどうかを表す値」です。
例えば、「iPhone 11はIP68等級 (深さ4 mまで、最長30分間)に適合する」とApple公式がアナウンスしています。
「IP68等級」の左側の数字「6」は「防塵保護等級6級:完全な防塵構造」を表し、右側の数字「8」は「防水保護等級8級:水面下で使用することができる」ことを表しています。
このように、IP等級を見ることでスマートフォンがどれくらいの防塵・防水性能を持っているかをおおむね判断することが可能です。
「IP68等級のiPhone 11はお風呂で使っても大丈夫なのでは…?」
と思われるかもしれませんが、このIP等級はあくまで「常温の真水での試験結果」を示したもの、ということが重要です。
ここで浴室が具体的にどのような環境なのか、考えてみます。
浴槽には40度ほどのお湯、少なくとも常温ではありませんし、入浴剤を入れている方もいるかもしれません。
さらに高温多湿、湿気がiPhoneを包みます。
iPhoneを浴槽に落としたとき、シャワーがかかったときの水圧は実はかなり大きいです。
IP等級で示された防水性では、どう考えてもカバーしきれないような環境ですね。
さらに、防水保護等級8(IPX8)は字面だけ見るとすごい肩書に見えますが、実は8等級は「強い水圧に対する防水性能」は考慮されていないのです。
そのため、常温の真水であってもシャワーや蛇口の水が当たったり、水面へ落下したりしたときには、iPhoneの耐水性能はカタログスペックを発揮してくれません。
iPhoneは「ディスプレイ部品」と「基板やバッテリーなどを収めた背面部品」が二枚貝のように合わさった構造をしています。
そして、部品同士の隙間から液体が侵入することを防ぐために、耐水性能が備わったiPhoneにはディスプレイ部品と背面部品の繋ぎ目に「パネルテープ」「防水テープ」など呼ばれるゴム製のテープが貼られています。
この防水テープは熱などによって溶けてしまったり、水分や細かい塵などに繰り返しさらされたりすることで、ボロボロになってしまいます。
そのため、購入したばかりのiPhoneと、購入から時間が経ったiPhoneでは耐水性能に差が出てしまうのです。
iPhoneの使い方にもよりますが、購入から1年以上が経過したiPhoneはカタログスペック通りの耐水性能を持ち合わせていないと思ってもらって構いません。
AppleはiPhoneの高い耐水性能をPRしていますが、その反面「水没や水濡れによるiPhoneの故障は保証の対象外」とアナウンスしています。
有償の保証サービス「AppleCare+」にさえ加入していれば比較的安く本体交換に応じてくれますが、あくまで「過失」扱いのため無償の1年保証は効かなくなってしまいます。
これも意外と知らない人が多いのではないでしょうか。
以上、iPhoneをお風呂に持ち込むのはリスクが高いというお話でした。
まるで完全防水かのような扱いをされることもあるiPhoneですが、環境によっては実は簡単に水没してしまいます。
長くiPhoneを使っていくためにも、少なくとも丸裸の状態でお風呂や水回りでiPhoneを使うことは避けるようにしましょう。
「それでも、どうしてもお風呂でiPhoneを使いたい!!」
ごもっともだと思います。
ここからは、iPhoneをお風呂に持ち込むときの水没対策と防水グッズ、そしてそれらが安全かどうかについて解説していきます。
ジップロックなどのチャックで密閉できるビニール袋にiPhoneを入れてお風呂に持ち込んでいる方はかなり多いのではないでしょうか。
ジップロックのそもそもの使い道が「密閉」なので、シャワーなどのお湯もしっかり防いでくれているように見えます。
実際ジップロックは水濡れをしっかり防いでくれるため安全…と言いたいところですが、さまざまな注意点と不安を抱えています。
出来れば後述の「防水ポーチ・防水ケース」を用意したいところですが、安価で手軽なジップロックをどうしても使いたい、という方向けに、ジップロックiPhoneをお風呂に持ち込む際の注意点を紹介します。
◆ジップロックを何回も使いまわさない
一度使ったジップロックを使いまわしていませんか?
ジップロックはあくまでビニール製なので、爪でひっかいたり折りたたんだりすると細かな穴が空いてしまうことがあります。
小さい穴でもそこから水が侵入してiPhoneが水没…ということが考えられますので、iPhoneを入れるジップロックは毎回新品を用意すると安心です。
◆しっかりとチャックが閉まっているかを確認する
当たり前ですが、チャックが閉まり切っていないとそこから水や湿気が侵入します。
ジップロックの口を指で押さえて、しっかりチャックを閉めるようにしましょう。
◆浴槽のお湯につけない
密閉できているからといって油断してお湯につけないようにしましょう。
あくまでジップロックは水滴や湿気を防ぐための保険だと考えてください。
多くのサードパーティメーカーから、「防水」をうたうiPhoneのケースやポーチが販売されています。
これらの防水グッズに入れたiPhoneをお風呂に持ち込むのは安全なのでしょうか。
防水ポーチや防水ケースは、元からiPhoneの防水グッズとして作られた製品のため、信頼できる製品であれば「安全」だと言えるでしょう。
これらの防水グッズはAmazonや楽天市場などのECサイトで購入することができますが、購入前に製品のレビューや星の数を確認して、評判が良い製品を選びたいところです。
市販のラップでiPhoneをぐるぐる巻きにしておけば、iPhoneが直接水に触れることがないため安全そうに見えますね。
しかし、果たしてラップiPhoneをお風呂に持ち込んでもいいものでしょうか。
お察しの通り、いくらiPhoneにラップを巻いたとしても水没のリスクは十分あるため、「安全ではありません」
湿気などはラップで防げるかもしれませんが、もし浴槽にラップiPhoneを落としてしまったときや、シャワーがかかってしまったときにはラップの中までお湯が入り込んでしまうことが考えられます。
それと防ぐためにラップを何重にも巻いたとしても、今度はタッチ操作ができなくなったり、画面が見づらくなってしまったりといった弊害が出てくるでしょう。
ラップは多くのご家庭にある手軽なアイテムですが、iPhoneの防水のために使うのは止したほうが無難です。
iPhoneをお風呂に持ち込むときの水没対策について紹介してきました。
ついつい家にあるもので済ませてしまう気持ちは分かりますが、ジップロックなど密閉できるビニール袋での防水は少ないながらもリスクがありますし、ラップについてはかなり水没の危険が付きまといます。
元から防水グッズとして販売されている防水ケースや防水ポーチは、ジップロックやラップよりも頑丈で水を通さない作りとなっているものが多いので、誤って浴槽の中にiPhoneを落としてしまっても水没する危険はありません。
面倒でもしっかりとした防水グッズを用意して、水没を心配することなくストレスフリーなお風呂iPhoneを楽しむようにしましょう。
「お風呂でiPhoneを使っていたら、うっかり浴槽にiPhoneを落としてしまった…」
「iPhoneをジップロックの中に入れてお風呂で使っていたら、いつの間にか中に水が入っていた…」
いくら注意していても、どうしても発生してしまうのが事故というものです。
もし使っているiPhoneがお風呂やシャワーで水没してしまったときには、どんな対処をすればいいのでしょうか。
また、データを残したままiPhoneを復旧することはできるのでしょうか。
もしiPhoneを水没させてしまったら、気づいた時点ですぐに電源を切ってください。
中に水が侵入したままiPhoneを使い続けると精密機器が電流でショートし、復旧できない状態となってしまう可能性があります。
電源を切ったまま乾燥したタオルなどで優しく水分をふき取り、風当たりのいいところで乾かすか、すぐにiPhone修理店にお持ち込みください。
正しい対処を行えば、水没したiPhoneでもデータをそのまま残したまま復旧することが可能です。
iPhoneを水没させてしまったときの正しい対処法と、修理の依頼方法についてはこちらの記事をご覧ください。
・iPhoneは耐水性能を持っているが、あくまで保険程度のもの
・丸裸のiPhoneをお風呂に持ち込むのは水没の危険大!
・どうしてもお風呂でiPhoneを使いたいなら防水ポーチやケースを用意しよう
・ジップロックやラップでの防水はおすすめできません…
・万が一水没したiPhoneは正しい対処を行えば復旧できる!
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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