さあ、出かけよう…と思ったら充電を忘れていた。
時間がない時に限って、iPhoneのバッテリーがない事ってよくありますよね。
そんな時に、出発までの短い時間にできるだけ多くの充電をしたいと思った事って、iPhoneユーザーなら誰でも思った事があるはず。
今回は、iPhoneの急速充電についてまとめてみました。
iPhoneは、原則として本体を購入した際に付属している「ACアダプター」と「Lightning(ライトニング)ケーブル」をiPhoneに接続して充電します。
iPhoneに付属しているのは、ACアダプターが「5W USB電源アダプター」と「(USB-A)Lightningケーブル」ですので、充電に非常に時間がかかります(Apple日本での付属ACアダプターの正式名称は「USB電源アダプター」です)。
5Wよりももっと大きな出力を持つACアダプターを使用すれば、もっと早く充電する事ができますが、Appleにはちょうど良い製品があります。
それは、iPadに付属する12WのUSB電源アダプターです。
5W:12Wは出力として2.4倍の大きさがありますが、単純計算通りにはゆきませんが、5WのACアダプターを使用するより、12Wを使用した方が、およそ2倍の速度で充電する事ができると考えられます。
iPhoneとiPad、両方をお持ちであれば、iPhoneの充電の際もiPad用の12WのACアダプターを使用するだけで、充電速度は飛躍的に早くなりますし、もしiPhone用の純正ACアダプターを購入予定であれば、12WのiPad用を購入される事をお勧めします。
iPad用の出力の大きなACアダプターをiPhoneの充電に使っても、iPhoneに悪い影響はないのか?
その辺りを心配して、付属する5W電源アダプターを使用している方もいるかもしれませんが、その点は心配無用です。
上記の通り、Apple自身が12Wの「USB電源アダプター」を使ってiPhoneやiPod、Apple Watchなどの充電が可能であると明記しており、10W・12W・18W等の出力の大きな「USB電源アダプター」を使用する事で、付属の5W電源アダプターよりも速く充電可能である事も明記しています。
以上のように、iPhoneの充電にiPad用のACアダプターを使用する事については、Appleが正式に問題ないと表明していますので、なんら不都合は生じませんし、万が一、12WACアダプターを使用した事が原因で故障等が発生した場合には、Appleの正規サポート対象となるので安心です。
こちらのグラフは、米「Gizmode」による充電テストの結果です。
iPhoneのバッテリーを使い切った状態から、5W・12W・29W・61Wの出力を持つACアダプターから充電した場合の、充電開始から30分後の充電割合を示したものです。
細かい数値は別として、出力が大きいACアダプターを使用した方が、同じ30分間に充電できる充電量が多い、つまり、出力の大きなACアダプターほど充電完了までの時間が短く、早く充電できると言う事になります。
グラフによれば、iPhone8の場合には、5Wと、12W以上のアダプターの充電量の差はあまり大きくなく、iPad用12WACアダプターに好感するだけで、飛躍的に充電速度が向上する事がわかります。
バッテリー容量の大きなiPhone 8 Plusや、iPhone Xでも5Wと12Wの差は大きく、29W・61Wでの充電量に差は小さいことから、12Wアダプターへの交換が充電速度に有効である事がわかります。
これは、iPhone 7以前のiPhoneでも有効で、筆者も日ごろから12WアダプターでiPhone 7を充電して利用しています。
上記のような、通常のiPhoneに付属の5Wアダプターから、iPad用12Wアダプターに交換する事で充電速度は大幅に向上しますが、これは「急速充電」という事ではありません。
実は、iPhone 8以降のiPhone(iPhone 8/8Plusと、Xシリーズ全機種)には「急速充電」機能が搭載されています。
iPhone 11になっても付属している充電機器は、5Wアダプターと、USB-AのLightningケーブルで、どう考えてもすでに充電能力が、デバイスのバッテリーに対して役不足となっていますが、実は、AppleではiPhone 8以降のiPhoneで急速充電をするためのアクセサリーをラインナップしています。
上図は、「18W USB-C電源アダプター(2,800円)」「30W USB-C電源アダプター(4,800円)」「USB-C - Lightningケーブル(1,800円)」です。
従来のUSB-Aは、2.0で0.5 A、3.0でも0.9 Aまでしか対応していませんでしたが、USB-Cは3Aまで対応したことにより、充電がより高速に行う事ができます。
最小でも18WアダプターとUSB-Lightningケーブルで、iPhoneの急速充電が可能となります。
ちなみに、次期iPhoneでは、18WACアダプターと、USB-C-Lightningケーブルが付属するとの噂もありますが、実際には、iPhone 8以降のiPhoneは、アダプターとケーブルさえ購入すれば、急速充電が可能な仕様になっていますので、充電をお急ぎの方は検討してみても良いかもしれません。
iPhoneは、リチウムイオン電池を採用しています。
リチウムイオン電池は、よち早く充電でき、バッテリーが長持ちする特性を持ち、さらに、高い出力密度を持つことからバッテリー自体の耐用年数が伸び、バッテリー自体の従量は軽くなっています。
こうしたスマートフォン向けの電池として優れた特性を持つリチウムイオン電池ですが、どんなバッテリーでも充電・放電を繰りかえすことで劣化が進み、いずれ蓄えられる容量が減少して寿命を迎えますが、iPhoneは、充電の仕方を工夫する事でバッテリーの劣化をより少なくし、リチウムイオン電池の寿命を延ばしています。
それが、「高速充電」と「トルクル充電」の併用です。
iPhoneでは、バッテリー容量の80%までは高速でより早く充電する事により利便性を高める一方、80%を超えた部分では、弱めた電流でゆっくりと充電することで、バッテリーの劣化を最小化し、耐用年数を伸ばしています。
つまり、iPhoneのバッテリーは、一旦外へ持ち出した際にはできるだけ長時間に渡ってバッテリー容量が残っている必要があるため、できるだけ多くの容量まで充電したいのですが、バッテリーの劣化を勘案すれば、80%以上の充電は行わない方が良いわけです。
急速充電は、この高速充電を行う80%以下の容量を充電する際に充電出力をより高める事で、従来よりも実用的なバッテリー容量の充電時間を短縮する充電方法ですが、若干実用性に欠けるかもしれませんが、急速充電は80%までにして、それ以上の充電をしない方がバッテリーの寿命は延びる事は確かです。
スマホのバッテリーは、このバッテリーに優しく寿命を延ばす充電と、実用面でのギャップをどう納めるかが課題です。
つまり、毎回の充電を80%までに収めていては、朝出かけてから夜帰宅するまでバッテリーが持たない等の実用面でのデメリットが生ずる可能性が高くなりますが、毎回100%まで充電していては、バッテリーそのものの寿命が短くなる可能性が高くなるという訳です。
→iPhoneバッテリーの寿命を延ばす正しい充電方法はこちら
Apple純正品ではありませんが、USB-Cに対応し、急速充電が可能なサードパーティ製のモバイルバッテリーがあります。
価格もApple純正と比べれば比較的リーズナブルですので、外出先でも充電時間を急ぎたい方にお勧めです。
【Anker PowerCore 10000 PD Redux】
こちらは、定評のあるAnkerの製品で、PSE認証済 / Power Delivery対応 / 低電流モード等を搭載した急速充電が可能なモバイルバッテリーです。
iPhone XSの場合、空の状態から30分で約50%の容量を充電できると謳っており、外出先での緊急なバッテリーチャージに威力を発揮するはずです。
出力は、通常のUSB-A(12W)に加え、USB-C(18W)ポートも備えており、2台同時(急速充電は片方のみ)の充電が可能です。
USB-Aポートでも、冒頭のiPad用ACアダプターと同等の12Wの出力で充電できるため、付属のiPhone用ACアダプター(5W)よりかなり速い充電が可能なので、自宅での充電でもモバイルバッテリーを経由する方法も「あり」かと思います。
【Charmast 10400mAh モバイルバッテリー】
こちらは、PSE認証済 / Power Delivery対応 / Quick Charge3.0対応の90.5×62.0×22.0mmの手のひらサイズの小型モバイルバッテリーで、USB-A×2・USB-C×1の3ポートを備え、スマホ等の急速充電に対応しています。
機種は不明ですが、35分で容量の80%まで充電でき、10,400mAh容量により、iPhone 7/8なら4回、7Plus/8Plusなら2回の充電が可能と謳っています。
ただし、評価によれば最大容量はそこまで大きくないようですので、5,000~6,000mAh程度と見ておいた方が良いかもしれません。
今回は、iPhoneの急速充電についてまとめました。
通常充電でも、急速充電でも、バッテリーの劣化や寿命と、充電量や充電方法の関係は相反するものがあります。
実用性を重視し常に満充電まで充電すれば、バッテリーの劣化は進み、結果的にバッテリーの寿命を縮める事になりますし、バッテリーの劣化防止を重視すれば、バッテリーに優しい充電量は80%であるため実用性を損なう可能性があります。
その両者を勘案した落としどころとして、筆者は充電量上限を90%にしています。
80%を超えた10%分はトリクル充電が行われますが、満充電まで充電しない事で、発熱やバッテリーへの付加を軽減し、実用性を損なわない程度にバッテリー劣化に配慮しているつもりです。
急速充電に関しては、80%までの充電であれば特に充電の早さは大きな問題ではないため(※)、USB-C対応の急速充電機を使った充電は時間がない時や、素早く充電したい場合などに威力を発揮します。
※急速充電の注意点
充電の際に、出力の大きさと発熱量は比例しますので、あまり大出力の充電機による充電は熱によるバッテリーへの影響が発生する場合がありますので注意が必要です。
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